共和党内は「トランプ後」に向けてそわそわ

【参考記事】トランプ政権のスタッフが転職先を探し始めた

共和党を待つ真の試練

ナショナリスティックな政策をひたすら追求するバノンは、チェスの駒で言えば「ルーク」に似ている。真っすぐ前に突き進むか、真っすぐ後退するか以外の動きができない。これでは、強い影響力は振るえない。

目下、「キング」である大統領のために縦横無尽の活躍をしているのが、ナンバー2の「クイーン」とも言うべき存在のペンス副大統領だ。政策に関する助言役を務めているほか、大統領の言葉を「翻訳」して伝えるなどメディアとの橋渡し役にもなっている。

もっとも、この「クイーン」は「キング」を守るために身を投げ出すつもりはないようだ。共和党議員たちも、その時が来れば、新しい「キング」となったペンスの下にはせ参じるつもりでいるらしい。

もし本当に「キング」が交代すれば、ホワイトハウスの戦略は一変する。ペンス政権の下では、「キングズ・ギャンビット」は影を潜め、法の支配に挑むような振る舞いもなくなる。そして、昔から共和党の中枢にいた慎重な面々が新大統領と共に政治を動かすことになる。

議会共和党のリーダーであるマコネル上院院内総務とライアン下院議長は、新大統領の下に結集し、真の保守的な政策を推進しようとする可能性が高い。党内に亀裂を生み出していた存在がいなくなり、共和党員は(少なくとも差し当たりは)結束を強めそうだ。

いまトランプ政権で途方もなく多くの権限を握り、政権内のさまざまな駒を自在に動かしているクシュナー上級顧問は、出番がなくなる。バノンや、スパイサー報道官やプリーバス首席補佐官、コンウェイ大統領顧問といった駒は、古い「キング」と共に捨て去られる運命だ。

そうすれば、混乱に終止符が打たれ、全米が安堵できるのかもしれない。ただし、いずれにせよ共和党には来年の中間選挙という試練が待っている。

[2017.6. 6号掲載]
アニカ・ハグレー(ロジャー・ウィリアムズ大学助教)

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