プーチンの本音は「五輪禁止」に感謝?

<盛り上がりに欠ける次期大統領選に愛国心という魔法の火を付けてくれる、IOCの制裁は万年独裁者プーチンにとって好都合>

ロシアの国益を私が守る――。ウラジーミル・プーチン大統領が、そんな含意たっぷりの次期大統領選出馬宣言をした。

実のところ、来年3月に行われるロシア大統領選にプーチンが出馬することは、誰もがとっくの昔に知っていた。00年5月に大統領に就任して以来、プーチンは大統領を3期、その間に首相を1期務めて、計17年にわたりロシア政治を牛耳ってきた。次の選挙に勝てば、さらに6年間権力の座に居座れる。

だがプーチンは、正式な出馬宣言をずっと先延ばしにしてきた。いつになるのかとさまざまな臆測が飛び交っていたが、ついに今月、絶好のタイミングが訪れた。

IOC(国際オリンピック委員会)は12月5日、2月に韓国で開かれるピョンチャン(平昌)冬季五輪にロシア選手団の出場を認めないことを決めた。前回14年のソチ冬季五輪で、ロシアが組織ぐるみで選手のドーピングを行い、その事実を隠蔽しようとしたからだ。

翌6日、プーチンはニジニーノブゴロド地方にある自動車工場のイベントに出席。大勢の労働者を前に、第二次大戦における勝利にまで言及して、聴衆の愛国心をかき立てる熱弁を振るった。「ロシアは前進するのみだ。誰もわれわれを止めることはできない」

国営テレビはこのイベントを全国に生中継していた。会場の熱気が高まったところで、ステージ上の司会者がプーチンに言った。「お願いします。次期大統領選に出馬すると言ってください」。するとプーチンは笑みをたたえて「ありがとう。ロシア連邦大統領選に出馬しよう」と宣言。大歓声を浴びた。

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