「ISIS憎し」のイラク政府が即決裁判で大量死刑宣告

<テロ組織に少しでも関わればコックも医師も死刑に――執行も迅速化させるイラクに懸念の声が高まる>

4年以上にわたるテロとの戦いで、拘束者が増え続けているイラク。何千人もの被告を裁くため司法の負担が膨れ上がるのに伴い、人数を減らす試みも進んでいる――処刑だ。

イラクは13年以降、テロ組織ISIS(自称イスラム国)やその他の過激派組織とつながりがあるなどとして、3130人の拘束者に死刑判決を下した。18年1月までのイラク全土の収監者2万7849人の集計を基にしたAP通信の分析によると、少なくとも1万9000人がテロ関連容疑で拘束されているという(集計データは匿名の政府関係者から入手)。

死刑判決を受けた者の中には、ISIS指導者アブ・バクル・アル・バグダディの姉妹や外国人戦闘員らも含まれる。

これらの拘束者のうち8861人はテロ関連の罪で、イラク情報機関関係者によればその大多数がISIS関係者。残りの1万1000人は、現在取り調べ中か裁判待ちの状態だ。

国際人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは、イラクが反テロ法を過剰に適用しているせいで、筋金入りの戦闘員だけでなくISISとの関係性が限りなく薄い人々まで拘束している可能性があると懸念する。

「政府高官の誰一人、アバディ首相でさえ、拘束者の総数を把握していないようだ」と、同団体イラク担当上級研究員のベルキス・ウィリーは言う。

それどころかアバディは、判決後の死刑執行を加速するよう指示している。14年以降で250人が絞首刑に処され、うち100人は17年に執行。迅速化の意思を見せつけている。これに対し国連は、冤罪のリスクが増えると警告する。
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