ロシア「帝国復活」プーチンの手腕

<ウクライナとジョージアで影響力を行使――欧米と民主主義の弱体化を狙うゲームの行方は>

ロシアによるウクライナ艦船の拿捕という衝撃のニュースが流れたのが11月25日。その3日後、やはりロシアと国境を接する国ジョージア(グルジア)で大統領選の決選投票が行われた。それはこの国の針路(ロシアと欧米のどちらに接近するか)を左右する投票だった。

何の関係もなさそうに見えるが、実はこの2つの出来事、旧ソ連の勢力圏の回復・拡大という野望を抱くロシア大統領ウラジーミル・プーチンの陰謀の成否を占う上で大きな意味を持つ。なにしろ、プーチンは民主主義陣営を弱体化させるためなら手段を選ばぬ男だ。

ジョージアの大統領選でも、ロシアによる露骨な恐喝や買収、不正工作があったと、複数の国際NGOが指摘している。

ロシアの目的は、ロシア寄りとされるサロメ・ズラビシビリ候補を支援し、ミハイル・サーカシビリ元大統領の親欧米路線を受け継ぐグリゴル・ワシュゼ候補を追い落として親ロシアの政権を誕生させることにあった。そして実際、決選投票を制したのはズラビシビリだった。

プーチンは、必要とあればどんな乱暴な手も使う。08年にはジョージアの南オセチア自治州に軍隊を送り込んだ。14年にはウクライナのクリミア半島を強引に併合した。

しかも近年のプーチンは、脅迫と策略、そして武力で近隣諸国を取り込むゲームの腕を上げているようだ。そもそもジョージアは、サーカシビリの時代に比べればずっとロシアに従順になっていた。また、今のプーチンはライバルにも恵まれている。例えばアメリカのドナルド・トランプ大統領は、歴代の米大統領よりも御しやすいだろう。
編集部おすすめ

当時の記事を読む

ニューズウィークの記事をもっと見る

トピックス

今日の主要ニュース 国内の主要ニュース 海外の主要ニュース 芸能の主要ニュース スポーツの主要ニュース トレンドの主要ニュース おもしろの主要ニュース コラムの主要ニュース 特集・インタビューの主要ニュース

ピックアップ

もっと読む

国際総合ニュースランキング

国際総合ランキングをもっと見る
お買いものリンク