2019年2月13日、NASA ジェット推進研究所が開発した火星探査車マーズ・エクスプロレーション・ローバー "オポチュニティ"が想定寿命の60倍という15年にわたる長い探査を終了した。
2018年の夏以来、火星で発生した砂嵐により太陽電池の上に降り積もり、発電量が低下して活動できずにいたと見られ、昨年6月以降は通信できない状態が続いていた。JPLは砂が吹き飛ばされ通信が回復する希望を持って何度も通信を試みたが、ローバーからの応答はなかった。
2003年7月に地球を出発、2004年6月火星に着陸
当初は90火星日の予定だったオポチュニティの探査は、双子のローバーのスピリットが通信途絶となった後も続き、火星の砂に車輪を取られながらも45キロメートルの距離を走破した。その功績はよく「火星表面で水の存在を示す有力な手がかりを見つけた」といわれる。オポチュニティは、その大きな成果を、火星着陸から間もなく成し遂げた幸運なローバーだった。
オポチュニティは双子のローバー、スピリットに続いて2003年7月に地球を出発し、2004年6月24日に火星に着陸した。火星の赤道に近いメリディアニ平原のイーグルクレーターと呼ばれる場所に着陸した(スピリットは別のグセフクレーターに着陸)。探査の大きな目的は、ふたつの着陸地点でかつて火星の表面を水が覆っていた痕跡を探すことだった。