ゴラン高原の主権をイスラエルに認めると何が問題なのか

<トランプのツイートはロシアやイランを挑発し、中東情勢が一気に不安定化する危険を孕む>

ドナルド・トランプ米大統領は3月21日、イスラエルがシリアから奪って占領しているゴラン高原について、イスラエルの主権を認めるとツイッターで表明した。

それは、前日にイスラエルを訪問していたマイク・ポンペオ米国務長官が、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と会談した直後の表明だった。トランプは2017年12月にエルサレムをイスラエルの首都と認定し、2018年5月に米大使館をテルアビブからエルサレムに移転させるなど、これまでもイスラエル寄りの政策をとってきた。

「(イスラエルがゴラン高原を占領した1967年から)52年がたち、アメリカがゴラン高原におけるイスラエルの主権を全面的に認める時がきた。イスラエルと中東の安定にとって戦略上も安全保障上も極めて重要だ!」と、トランプは3月21日早朝にツイートした。

イスラエルの右派政党「リクード」の党首を務めるネタニヤフは今後、3件の汚職疑惑で起訴される可能性があり、4月9日のイスラエル総選挙で苦戦を強いられている。ネタニヤフは3月25~26日に訪米してホワイトハウスでトランプと首脳会談を行うことが、すでに発表されている。それに先立つトランプの承認表明には、ネタニヤフ再選を助ける意図がある。

オバマは会談を拒否

トランプと対照的なのがバラク・オバマ前米大統領だ。オバマは2015年3月、イスラエル総選挙の前にネタニヤフと首脳会談を行うのを拒否してこう言った。「アメリカが選挙介入や自国に有利な援護射撃を行っているなどと疑われないよう、首脳会談は選挙から十分に離す必要がある」
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