ノートルダム大聖堂、再建への道は遠い

<独特の建築様式と「経年劣化」がネックに――火災で屋根全体が崩落した大聖堂の危うい現状>

めったにない手法でパリのノートルダム大聖堂の研究を究めた人物――それが米デューク大学のキャロライン・ブルゼリアス名誉教授(美術・美術史)だ。

ノートルダム大聖堂は4月15日夜に大火災に見舞われたが、幸いにも全焼という悲劇は免れた。それでも、ブルゼリアスだからこそ分かっていることがある。この大聖堂は今も非常に危うい状態にあるのだ。

ゴシック様式大聖堂の専門家であるブルゼリアスは、大規模清掃作業のためノートルダム大聖堂に足場が組まれた約40年前、この信仰の場を徹底的に調査。のちに、建築構造上の利点と弱点を詳しく検証する学術論文を執筆した。

再建への道のりはどれほど厳しいものになるのか。火災発生の翌日、フォーリン・ポリシー誌記者マイケル・ハーシュがブルゼリアスに話を聞いた。

***

――火災による被害は、昨夜の時点で危惧されたほどひどくはなかったようだが。

損壊の規模と箇所を正確に把握するにはかなり時間がかかるだろう。(大聖堂には)ステンドグラスや祭壇があり、構造面や建築面の要素もある。それぞれの分野の専門家に分析してもらわなければならない。

私が特に懸念しているのは石材でできた壁の状態だ。今回の火災は大規模で、炎は極めて高温だった。石が燃えることはないが、高熱によって深刻な損傷を受ける場合がある。ボールト(アーチ状の天井部)と壁面上部を全て、詳しく調べなければならない。

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