日米貿易交渉は参院選後と言うトランプ、日本の民主主義はバカにされているのか? - 冷泉彰彦 プリンストン発 日本/アメリカ 新時代

<与党一強の日本政治の現状を見下しているようでもあるが、英米の民主主義もまた危機に瀕している>

今回のトランプ大統領の来日は、宮内庁の所轄する皇室外交の儀礼的には国賓待遇でしたが、内閣を中心に見てみると正規の共同声明が省略されたことで、首脳外交としては簡易なスタイルに終始したと言えます。

では、どうして共同声明が省略されたのかというと、おそらくは最重要の論点である日米の通商問題について「結論を急ぐと、安倍政権にとって7月の参院選は不利になる」という計算があったと思われます。

大統領は自ら「通商問題の協議は日本の選挙後」というツイートをしていますから、その計算は日米で共有されているようです。こうした言い方には、いかにもトランプ大統領らしい「本音丸出しの実利追求」がありますが、それ以前の問題として、このツイートは、どこかで日本の民主主義を「バカにしたような」印象を与えるのも事実です。

どういうことかと言うと、仮に通商交渉の方向性に「日本の譲歩」が含まれていたとします。そうした日本側にとって不利益な流れが、選挙前に明らかとなると、これは与党に不利になります。ですから、大統領は「選挙後」と言っているわけですが、これは与党に協力しようという姿勢であるだけでなく、「都合の悪いことは争点から外す」ということを、日本の政権与党とアメリカの政府が共謀して行なっていると言えなくもありません。

そう考えると、安倍政権とトランプ大統領は、日本の民主主義を軽視していると言われても仕方がありません。

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