香港デモの行方は天安門事件より不吉、ウイグル化が懸念され始めた

<暴力的なエスノナショナリズムの激化で、軍事介入よりも、新疆ウイグル自治区やチベット自治区に対する強硬政策が及ぶ可能性が指摘されている>

ニュージーランドのオークランド大学構内で、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする逃亡犯条例改正案への抗議活動に参加していた香港出身の女子留学生が中国大陸部出身の男性に押し倒された──7月29日、そんな事件が報じられた。

大した出来事には思えないかもしれない。しかしこれは香港で続く抗議デモを、中国政府が民族間対立に変貌させていることを示す憂慮すべき兆候だ。

香港は制御不能状態だ。前代未聞の大規模デモと抗議行動、激化する市民的不服従が約2カ月にわたって続き、終息の兆しは見えない。市民と警察の信頼関係はほぼ完全に崩壊している。

香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は、逃亡犯条例改正案の撤廃や普通選挙の実現など、デモ隊が掲げる5つの要求に正面から向き合わず、政治的逃避に走っている。公の場に現れる頻度は激減し、姿を見せても大抵は形式ばった記者会見を行うだけ。7月25日には、香港にある中国人民解放軍駐屯地を訪れ、青少年軍事サマーキャンプの卒業式に出席した。

民主化を求める香港の民衆の蜂起を鎮圧すべく、中国共産党が人民解放軍に命令を下す日は来るのか。抗議活動が始まって以来、デモ隊側と識者はそろってこの問いを口にしてきた。

中国国務院香港・マカオ事務弁公室の報道官が7月29日に行った記者会見では、軍事的介入が差し迫ることを裏付ける発言はないに等しかった。報道官が語ったのは「香港の政府と警察を断固として支持し、暴力的で過激と見なされるデモ参加者を強く非難し、『一国二制度』を再確認する」という言葉だ。

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