トランプはなぜ極寒のグリーンランドが欲しいのか

<北極海を臨む戦略的要衝として以前から注目。事実、グリーンランドに地歩を築こうとしたのはトランプが初めてではないし、アメリカだけでもない>

報道によれば、ドナルド・トランプ米大統領はデンマークの自治領で世界最大の島であるグリーンランドを購入する案を検討していたという。

グリーンランドの戦略的な立地や手つかずの天然資源に関心をいだいたらしい。ニューヨーク・タイムズは8月15日、トランプが何人もの顧問たちに複数回にわたり、グリーンランド購入について意見を求めたと伝えた。

真偽のほどはともかく、構想自体は荒唐無稽とは言い切れない。グリーンランド北部のチューレ空軍基地には米軍が駐留しているし、トランプ政権は以前から北極圏に強い関心を抱いてきた。背景にあるのは北極圏をめぐるロシアと中国の緊張の高まりであり、地球温暖化による新たな北極海航路の可能性だ。

チューレ基地に設置したレーダーは周囲240度をカバーすることができ、大陸間弾道ミサイルや人工衛星を追尾するのに役立つ。中国もグリーンランドの戦略的利点を認識している。2016年には、グリーンランドにある古い基地を買収しようとしてデンマークに阻止された。デンマークの当局者はメディアに対し、阻止はアメリカの意を受けてのことだったと語っている。昨年も中国企業がチューレ基地近くに空港を建設しようとして失敗している。

デンマーク側は相手にしない姿勢

今年5月、マイク・ポンペオ米国務長官はこの地域を「世界の力と競争がぶつかり合う舞台」と呼んだ。この地を戦略的要衝だとして注目しているのはトランプだけではないらしい。1946年には、当時のトルーマン大統領が1億ドルでの購入を提案したこともある。

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