「改正水道法」なぜ必要?赤字だらけの日本の水道を救うためには・・・

「改正水道法」なぜ必要?赤字だらけの日本の水道を救うためには・・・
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グローバルウォータ・ジャパンは、2019年10月1日の改正水道法の施行を前に、30歳から59歳の男女618名を対象に『日本の水道料金に関する意識調査』を実施!


驚くべき調査結果調査結果から、70.8%が「20年後、30年後の水道の安全性は今と変わらないと思う」という印象を抱いている反面、「20年後、30年後の水道の安全性を考えたときに、現在の水道事業における予算で工事・補修などは十分行えると思う」と答えた人は33.5%にとどまり、約70%の人が日本の水道経営に対して現在の予算では十分に行えないと不安を抱いていることがわかりました。


Q.日本の水道は世界的にみても安全性・質が高いと言われているが、 20年後、30年後の水道の安全性は今と変わらないと思いますか?


Q. 20年後、30年後の水道の安全性を考えたときに、現在の水道事業における予算で工事・補修などは十分行えると思いますか?

実際に、2018年3月にEY新日本有限責任監査法人と水の安全保障戦略機構事務局が行った共同研究結果によると、2040年までに水道料金の値上げが必要と推計される事業体は全体の90%に及び、現在の水道料金のままの経営では安全な水道環境の維持は困難であることがわかっています。
日本の水道経営が危機的な状況を迎えているなか、多くの人が経営面の厳しさは漠然と感じている一方、生活に欠かせない水道の安全性に対して「なんとなく大丈夫だろう」と楽観的な視点を持っているのです。


他人事では済まされない!日本の水道事業は火の車状態

今回の調査結果により明らかとなった、人々が抱く日本の水道事業に対する不安の背景には、水道経営のしくみと実態が正しく理解されておらず、水道事業の経営が世間からは「他人事」と捉えられている現状があると推測されます。


何が原因?水道事業が直面する“負のスパイラル”とは?水道料金からの収入は、今後、毎年200億円ずつ減っていくと考えられ、加えて、年々水道管の老朽化が進み、莫大なコストのかかるメンテナンスも急を要しています。
収入が減り、一方支出は増加、日本の水道経営はまさに「火の車」状態に陥っているのです。


<直面する負のスパイラル>
①進む水道管の老朽化 :莫大な水道管メンテナンス費用 
水道管の改修には、1kmあたり約1億円もの費用がかかり、厚生労働省によると、10年後には更新費用だけで8000億円から1兆円かかると推定されています。そしてH28年度の管路更新率は0.75%。全ての水道管を更新するためには、約130年の年月がかかることがわかっています。

②人口減少による危機的状況 :カネ・ヒト・技術が同時に失われている
進む人口減少の影響で、日本の水道事業体の料金収入は過去10年間で2000億円の減少、全体の1400弱の約7割の自治体が人口5万人以下で、料金収入は10億円以下。近年は、使用水量の減少に伴う料金収入の減少が続いています。 

③水道事業者の料金収入減少 :メンテナンスが追い付かず経営難に※税金による補助も無し
調査結果では81.1%もの人が、水道の整備や修理にかかる費用は「自治体の予算(税金)と毎月支払っている水道料金から支払われていると思っている」と答えました。しかしながら、実際は「毎月支払っている水道料金から」のみです。元来水道事業は「独立採算制」で、原則水道料金のみで運営されています。


この現状を打開する日本政府の奥の手が、いよいよ令和元年10月1日に施行となる「改正水道法」です。 
「水道の民営化」と報じられることが多いこの法案。
実はこの改正水道法には「民営化」という文字は一切入っていません。 
では、いったいなぜ、そのような誤解が広まっているのか・・・。


もうすぐ執行!「改正水道法」とは?


「水道の民営化」の文句で「日本の水道が外資に売り渡される」などと揶揄されることが多いが、
そもそも水道改正法とはどういった法案なのでしょうか。
改正水道法は、本来、以下のプロセスで水道事業者の経営を持続可能な状況にする法案だったのです!


<主な改正内容> 
①適切な資産管理(アセットマネジメント)の推進 
設備の老朽化から漏水事故などが多発している中、
約4割の水道事業者が資産管理の前提となる水道施設台帳を整備していない現状に対して、
水道施設の台帳整備等の義務付け、長期的な観点から水道施設の計画的更新に努める義務の創設により、必要な財源を確保した上で水道の基盤強化を実施させることが目的。 

②広域連携の推進 
現状は主に市町村が経営している全国1400弱の水道事業体を県ごとなどへ統合。
運営主体を統合し、スケールメリットを活かした効率的な事業運営をすることにより、最大で約8倍もの開きのある事業体ごとの料金格差・財政格差を解消することが目的。 
※都道府県に対して、広域的な見地から水道事業者等の調整を行う責務を規定し、
推進役として位置付けるなどにより、広域連携を推進。 

③多様な官民連携(コンセッション方式など)の推進 
民間の技術力や経営ノウハウを活用した官民連携を推進することが目的。
※コンセッション方式:利用料金の徴収を行う公共施設について、
施設の所有権を自治体が所有したまま、民間企業に水道事業の運営を委ねる方式


今後の日本の水道はどうなる?!
水道専門家の吉村氏によると、
改正水道法は、将来にわたって安全な水を安定的に供給するために制度改正したもの。
吉村氏は、
「私たちは、改正水道法施行の有無にかかわらず、水道代の将来的な値上げは避けられないという現状をまず受け入れる必要があります。言わば、約8兆円の借金を約2兆3000億円の収入で返済し、
なおかつ老朽化した設備を新しくしなければならないのですから、
私は、適切に改正水道法の効果が発揮した上で、なおかつ水道料金を現在の2~3倍上げなければ、
日本の水道は立ち行かなくなると予想しています。」という見解を持っています。


希望の星!海外の成功例
海外のコンセッションを見ると、実は過去15年間で37カ国235の自治体において、コンセッションでの運営に失敗し、官民連携から官営に戻しています。しかし成功例もちゃんとある。
例えば英国やドイツは成功を収めていた。 
失敗している箇所と、成功している箇所の違いは「チェック機関の有無」。
成功した英国では、DWI(飲料水監察局)、Ofwat(オフワット、水道事業規制局)、CC Water(顧客審議会)という三者が置かれています。

これらは、水質、料金や決算などの財務、苦情処理の側面から民間水道事業者を監督する機関です。
ドイツでも同様の機関を設けています。 
改正水道法に関する報道の中で頻繁に語られる「外資の参入」については、
日本政府もすでに対策を講じています。

2019年7月22日から8月20日まで意見募集が行われたパブリックコメントを基に作成されたガイドラインに記載があるように、緊急時にはブレーキをかけられるような制度も存在している。
また、このガイドラインに「公的機関によるチェックをする」とも明記。 

蛇口をひねれば常に安全な水道水が出てくる生活を、20年後、30年後の子・孫世代まで残すためには、
現状の水道経営に対して漠然とした不安感を抱くだけではなく、現状を理解し、適切な行動をとることが求められるのではないだろうか。 

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