Nicheee!で以前取材をさせて頂いた、歌手なのに餃子が好きすぎるあまり餃子についてまとめたグルメ本『餃子女子』を出版してしまったという面白プロフィールを持つ女性、玉城ちはるさん。


近年は『アウト×デラックス』(フジテレビ系)にも出演し、その明るい魅力をムンムンに放出している女性なのですが、玉城さんは独身時代、海外からの留学生を10年間で40名受け入れ共同生活をし支援するという“ホストマザー”の経験も持っています。
主に中国、韓国、台湾などアジア圏からの留学生たちと、時にぶつかりながらもいつも全力で愛情を注ぎ交流をしてきた結果、現在も素敵な交流が続いているそうで、元留学生たちとの長年の関わりの中から得た経験や考えを生かしながら、日本と諸外国の関係性についても常に見つめ続けており、多文化共生や異文化理解についての講演活動を行われています。


そんな玉城ちはるさんが、2019年12月28日に行われる『日韓友好フェスタ2019 in 八王子』で講演をされるとの事で、イベントにかける思い等をお伺いしてきました。



―今回のイベントへの出演の経緯は?
玉城ちはる「2019年は私が初めてアジアでの講演を行なった年でした。
特に今年は韓国と日本はとても複雑な時期を迎えていましたが、3月に初めて中国での講演を行い、そこで今回お世話になるNPO法人おもてなし国際協議会の長野さんに、韓国でも講演をしてみたいとお話しました。
それをきっかけに9月に台湾の大学での講演が、10月には韓国の大学での講演が決まりました。こういった流れから今回の日本での日韓交流イベントの参加も決まりました。」


―日韓の関係が注目される今、韓国に行かれてみてどうでしたか?
玉城ちはる「韓国での講演が決まった8月に、今は韓国に住んでいる元留学生たちに連絡をした時、不安もあったため素直な気持ちを伝えました。
今、日本人が韓国に行くことは危険ですか?と。
そうすると『あなたの家は韓国にもあります。安心して来てください』と言ってくれました。
日本で留学生とホストマザーという、手の繋げる範囲で感謝と謝罪、愛情を繰り返し伝え合いながら家族になった私達には深い絆があるのだとその言葉から確信ができ、安心してやりとげる事が出来ました。
他者を受け入れると言う意味で、国際交流というものは入り口としてとてもわかりやすいと思います。また韓国と日本はとても近い国です。
若者も互いの文化をとても好んでいます。私たち中間層の大人が日本と韓国の良い関係を築ける事が出来るなら、次世代の若者に残せる財産にも繋がると私は思っています。」


―今回の講演ではどんな事を伝えていきたいですか?
玉城ちはる「私は“命の参観日”という講演を行っており、自分とは違う人とどう共生していくかという話をしています。こういった事を言うと単に国際交流の話と思われますが、実際は違います。
同じ日本人同士であってもコミュニケーションを取るのが難しい事もあります。
実際『同じ日本人のくせになんでわからないんだ』と、一緒に暮らした日本人に言われることも多々ありました。
私たちは自分の中での常識や、こうしないと変だ、と自分とは違うと思えるものを排除しがちになります。
私自身、他者と接していく中で、これまでの人生で生きにくさを感じる事も多くありました。 
そんな中でホストマザーをしていると、中国や韓国という日本とは全く違う歴史、背景を持つ人達と接する事となり、その中でお互い歩み寄るために幾度となく話し合う必要がありました。
そしてそのやりとりの中で、人と人とのコミュニケーションには、そもそも前提として話し合うことが必ず必要なんだと改めて理解が出来、そういった心構えがあれば、思い込みで相手を嫌いになったり、喧嘩したりしなくてすむ事がわかりました。
この事は同じ日本人との交流でとても役に立ちましたし、私もとても生きやすくなりました。
こうした経験を経て、私は手を繋げる範囲での交流こそが一番大切だと感じています。
相手の目を見て、手を繋いで、話す。
今回の講演ではこういった経験についてのお話や、来てくださった方にとってより良いコミュニケーションの仕方を見つけたり、深めていけるようになるようなお話が出来ればと思っています。」



インタビューを通じて、玉城さんの素敵なお人柄や、心の広さ、深さを感じ、また、国際交流だけでなく、世界中の人達がより良いコミュニケーションをしていくための力になりたいという思いを強く持ってらっしゃる事を感じ、とても素敵な方だなと思いましたし、もっとお話を聞いてみたくなりました。

そんな玉城さんが出演される今回のイベントでは、他にも演劇の公演など、多数の出演者によるお話が盛りだくさん!
お時間が取れる方はぜひ足を運んでみてください!



「日韓友好フェスタ2019 in 八王子」~海を越えて紡ぐ 衣・食・音~
日 時 :2019年12月28日(土)開場 15:00 開演 15:30
出 演 :
劇団シルクロード(演劇公演)
キム ギョンテ (劇団シルクロード・演出家)
玉城 ちはる(歌手・大学講師)
八田 靖史(コリアン・フード・コラムニスト)
入場料 :一般1500円、大学生1000円、高校生以下無料

参加申込みフォーム


出演者プロフィール
●劇団「シルクロード」
クムサンの公演文化を作り、世界高麗人参エクスポを通じてクムサンを訪れる外国人達に、クムサンの文化芸術を知らせ、普及する事を目的としており、クムサンの情緒と伝統芸術(歌、踊り、楽器演奏)を基本とし様々なジャンルを織り交ぜる、専門劇団である。


●キムギョンテ氏 (俳優/舞踊家/演出家)
中部大学  演劇映画科
中部大学  大学院 ミュージカル公演学科 修士
湖西大学韓中文化コンテンツ学科  博士課程
クムサン専門劇団「シルクロード」代表  演出家
青少年教育劇団「一つの夢」代表  
韓国文学2015 詩部門受賞
ハンウル文学言論人  文人協会会員
韓国タップダンスチーム  タップコリア専任  振付 教育演劇講師  芸術福祉士


●玉城ちはる氏(シンガー・ソングライター/ホストマザー)
「自身に出来る社会貢献」としてアジア地域の留学生支援活動「ホストマザー」を10年間に渡って継続、36名の留学生を送り出し、その模様がNTV系「24時間テレビ」やNHK、IBM Mugendai∞(無限大)などで取り上げられる。
2014年1月「ホストマザー」の活動が認められ、日本ユースリーダー協会 第5回「若者力大賞~ユースリーダー賞を受賞。現在、ホストマザーの経験を生かし全国の小中学校・高校・大学にて「命の参観日」という講演を多数行っている
2015年8月には、餃子店ガイドブック+α『餃子女子』(ラトルズ刊)を発売。ベストセラーになる。
読むと餃子が食べたくなる!と話題になりAmazonランキング(8/26付)レストランガイド1位を獲得。https://tamakichiharu.com/


●八田靖史(コリアン・フード・コラムニスト)
慶尚北道、および慶尚北道栄州(ヨンジュ)市広報大使。ハングル能力検定協会理事。1999年より韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。韓国料理の魅力を伝えるべく、2001年より雑誌、新聞、WEBで執筆活動を開始。最近はトークイベントや講演のほか、企業向けのアドバイザー、韓国グルメツアーのプロデュースも行う。
著書に『目からウロコのハングル練習帳』(学研)、『八田靖史と韓国全土で味わう 絶品!ぶっちぎり108料理』(三五館)ほか多数。最新刊は2019年3月刊行の『韓国行ったらこれ食べよう!』(誠文堂新光社)。(韓国料理が生活の一部になった人のためのウェブサイト「韓食生活」(http://kansyoku-life.com/)、YouTube「八田靖史の韓食動画」を運営。

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