日産自動車第1造形課・第4デザインスタジオのチーフとして、1969年に誕生した初代フェアレディZのデザインを手掛けた松尾良彦氏が、2020年7月11日の夕方、肺炎のため逝去されました。享年87歳でした。

2019年ノスタルジック2デイズ「Z生誕50周年記念トークショー」に登壇し、開発秘話を披露した松尾さん。

全世界で55万台もの販売を記録し、今なお世界中のファンから愛される「フェアレディZ」。1969年に誕生した初代フェアレディZ(S30)は、オープンボディのフェアレディ(SP/SR311系)から一転、ロングノーズ、ショートデッキのファストバックスタイルのスポーツカーとして世に送り出されました。当時の日産自動車第1造形課・第4デザインスタジオチーフとして、そのフェアレディZのデザインをまとめ上げたのが松尾さんでした。

日産自動車第1造形課・第4デザインスタジオに勤務をしていた当時の松尾さん。壁にはクーペタイプやオープンボディのZのほか、スポーツワゴンのスケッチも描かれている。
日産自動車を退職後は、デザイン事務所を設立され、カーデザインやプロダクトデザインにかかわり、評論家としても活躍されました。
近年では、全米規模で開催されるZCON(ZCCA International Z Car Convention)や「フェアレディZミーティング」など、たくさんのイベントに参加。ファンからの記念撮影やサインに、いつでも笑顔で対応する姿が印象的でした。