【1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R Vol.1】

関東一円はもとより、遠方からの整備やチューニングの依頼、パーツの注文など、日本中から支持を集めている埼玉県ふじみ野市にある「RSスタート」。代表の宮崎始さんは、某ディーラーに勤めた後、1977年、27歳の時に独立して開業したのだ。


 当時は、まだケンメリが現行モデルとして販売されていて、ハコスカは一世代前のモデルとなっていたが、中古車としても人気が高かったそうだ。もちろん宮崎さんも、ハコスカやケンメリに憧れていて、ケンメリGT‐Rが発売された時には、相当迷ったそうだ。

「当時、”S24型エンジン”を搭載したGT‐Rが出るってウワサがあった」というのが原因だったとか。そのため、1973年6月に生産終了となったケンメリGT‐Rを買いそびれてしまったのだ。

 結局、2400GT‐Rはウワサだけで終わってしまい、慌ててケンメリGT‐Rを探し求めたが、生産台数が197台という少数のため、なかなか出合うことができなかったそうだ。

 ようやくケンメリGT‐Rを入手できたのが、開業直前の1976年だった。
あちこち探し回っていたが、割と近くにオーナーがいて、340万円で譲ってもらえることになった。ちなみに、ケンメリGT‐Rの新車価格は163万円だから、すでに2倍以上のプレミアが付いていたことになる。当時は4ドアGT‐Rは45万円、2ドアは120万円前後が相場だったらしいので、ケンメリGT‐Rがいかに人気が高く、破格だったかということがわかる。

 このケンメリGT‐Rは、1992年まで宮崎さんの元にあったが、どうしても譲ってほしいというお客さんからの要望で、2ドアのGT‐Rと入れ替えで売却することになった。そのGT‐Rこそが、現在も宮崎さんの愛車であり、RSスタートのデモカーとして走り回っているクルマそのものなのだ。ライカーの金具が装着される側面はカーボン地を残している。


Vol.2に続く

1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(KPGC10)主要諸元表
●エクステリア:RSスタート製ドライカーボンボンネット/フェンダー/フェンダーミラー/ドア リアスポイラー、FRP製前後バンパー/トランク、HIDヘッドライト、ランプ類LED化
●エンジン:S20改2.4L仕様(ボアφ83mm×ストローク73mm)、鍛造φ83mmピストン、I断面 コンロッド、フルカウンタークランク、IN/EXとも304度(オリジナルプロフィール)、強化スプ リング、ウエーバー45DCOE、φ42.7mm等長ステンタコ足(6-1タイプ)、φ48.6mmマフラー
●駆動系:71Cクロスギアミッション、R200LSD(ファイナル4.625)+アルミフィンカバー
●足回り:オーリンズ製車高調、フロントロワアーム延長、リアキャンバーゼロ加工、ワークス タイプピローボール式スタイビライザー
●ブレーキ:ブレンボ・タイプⅡ(4ポットキャリパー&φ280mm2ピースローター)、
●タイヤ:BSポテンザ RE01フロント205/50R15、リア225/50R15
●ホイール:ワークCR01 8.5J×15、リア10J×15
●インテリア:RSスタートオリジナルフルバケ(左右)、Defi製水温・油温・油圧計

ドライカーボン製のドアや、助手席の足元左側にセットされたMDIなど【写真7枚】