
1965年に開催された第12回東京モーターショー。4輪車市場に新しく進出し、毎年モーターショーの話題をさらうホンダは、S800とともにセダンモデルのN800を参考出品。これが世に出た最初のNとなった。小型ライトバンL700のエンジンをベースに開発した4人乗り乗用車からは、日本に到来しつつあったマイカー時代に対応しようとするホンダの本気が感じられた。
しかしながら当時はそれほど大きな話題とならなかった。それはN800の魅力が薄かったわけではない。この年、大きな話題をさらったのはトヨタ2000GT。トヨタが採算を考慮せずに開発し、当時考えられる最良の装備を揃え、発表時から後世に語り継がれることが約束されたクルマだった。そんなクルマを前に、普通のセダンのN800の影は薄かったのは、しかたないことで、当然ながら市販化も見送られてしまった。
しかし、翌年の第13回東京モーターショーではN360を発表。N800の薄い評判が嘘のように大きな話題となり、翌1967年3月には満を持して発売されることとなったのだ。
ドライバー、ナビ両シートにまたがる一体型の純正フロアマットなど、全ての画像を見る
当時の記事を読む
-
「1型にこだわるのは父の影響」30代のオーナーの生活に溶け込んだN360。家族全員で楽しむ!|67年式 ホンダN360 Vol.3
-
「軽自動車は2人で乗るもの」から「家族で使うクルマ」と当時の常識を変革させた1台|67年式 ホンダN360 Vol.2
-
「載せるエンジンがねえだと? S360のやつがあるだろう。それ載っけちまえ」|1966年式 ホンダ T360 Vol.2
-
1983年 フランクフルト・モーターショーで発表 ポルシェ「グルッペB」
-
ホンダ初の4輪車は、DOHCエンジンを搭載したとんでもない軽トラ|1966年式 ホンダ T360 Vol.1
-
67年、世界に衝撃を与えた一戦! 「緑の地獄」ニュルブルクリンク500kmを制す|1966年式 ホンダ S800 Vol.2
-
57億円の大赤字!「吉野家」に「牛丼一筋」への“原点回帰”が叫ばれる理由
-
ホンダ初の4輪乗用車は492ccで40ps、水冷直列4気筒DOHC搭載の......|1963年式 ホンダS500