Keiさんはもともと米国車好き。
数多くのクルマを乗り継いできたが、楽しさと同時に大変だったことも多かった。
特に米国のキャブ仕様車にはほとほと懲りていたという。
それゆえにスタイルは米国車の雰囲気を持つ、ライムグリーンメタリックのクラウンは自分の理想に最も近いクルマに映った。
しかもこの個体の型式はMS55。
つまり左ハンドルのLHDクラウン。
それだけではない。
エンジンはキャブどころか、1JZ‐GE型に換装されたものだった。
自分好みのスタイルでありつつも安心できるエンジンを、と考えていたKeiさんにとって願ったりかなったりの個体。
しかし、MS55には海外製部品が多く、信頼性に不安が残る。
そこで、長期的な安定を得るため、国産パーツ化を計画。
もともと日本製であるため、作業は順調に進んだが、唯一国産製のエアコンの取り付けで問題発生。
国産のエアコンはサイズが大きく、収納できるスペースがない。
海外のエアコンキットを導入せざるを得なかったという。
Keiさんの望むクルマの姿は、ふと乗りたくなった時に何事もなかったように動き出すことができるクルマ。
彼は、自分のライフスタイルに溶け込めるクルマとついに出合ったのだ。
美しい仕上がりのリアトランク。
JZS13クラウンのマフラーを流用。
このクルマは、さまざまな時代のクラウンから部品を集められて構成されている。
衝撃時にドライバーの胸を受けとめる形状になったステアリング。
高い安全性をうたったMS50型らしい装備。
また、衝撃吸収式(コラプシブル型)ステアリングが標準で採用された。
3段フロアシフト・トヨグライド。
2段開き機能やチャイルドロック機能を装備。
掲載:ノスタルジックヒーロー 2011年12月号 Vol.148(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)