連載「脳が悦ぶ、アナログゲーム」
梅雨シーズン到来。アウトドア派にとっては憂鬱な季節だが、時間に余裕ができるだけに新しい愉しみを発見するいい機会。

屋内でも最高にエンジョイできて、外遊びとはひと味違う“脳が悦ぶ”アナログゲームを紹介する。

アウトドア派のオトーチャンにとって、もっとも憂鬱な梅雨の時季。とくに休日ともなれば、子供たちの退屈そうな様子を目にするのも、なかなか辛いもの。

そこでオススメしたいのが、雨の日でも親子そろってエンジョイできる、最近話題のアナログゲームだ。小さな子供相手でも対等に遊べるだけでなく、知育にも役立つという優れモノのゲームを紹介しよう。


アナログゲーム界のトレンド「ワードゲーム」は
親子で一緒に遊ぶ入門編として最適!

ここ数年、大人のホビーとしても静かなブームになっているアナログゲーム。海外でヒットした名作の翻訳版に加え、国産のゲームも続々と登場しており、そのなかには世代を超えて楽しめる、親子向けの作品も数多くあるという。

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株式会社ピチカートデザイン代表取締役社長。アナログゲーム好きがきっかけで、2011年にボードゲームカフェ「JELLY JELLY CAFÉ(ジェリー ジェリー カフェ)」をオープン。現在、全国に店舗を展開。メディアを通じ、その魅力を伝える活動も盛んに行っている。

自身も親子でゲームすることが多いという白坂さんのオススメは、アナログゲーム界のトレンドとなっている「ワードゲーム」系の作品だ。

「『ワードゲーム』とは、言葉を使って遊ぶゲームの総称。

幅広い層が楽しめるので、最近とくに数をグッと増やしています。対象年齢が低くルールも簡単なものが多いため、親子で遊ぶのに打ってつけ。遊びを通じて記憶力や言語能力も鍛えられるので、一種の知育教材としての魅力も備えているんです」(白坂さん)。

価格も1000円から2000円台のものが中心、手軽にサクッと、という意味でも入門に最適といえるのだ。

ということで、白坂さんに最近のヒット作を中心に、親子で楽しめる「ワードゲーム」の名作を3つチョイスしてもらい、そのうちのひとつを、実際のファミリーに体験してもらった。

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【ワードゲームのオススメ!】
チビッ子の記憶力とネーミングセンスに思わず脱帽!?
「ナンジャモンジャ」

遊ぶだけで“英才教育”になる、 雨の日に親子で楽しみたいアナログゲーム3選
1400円[税込]/すごろくや(ジェリーオンライン https://shop.jellyjellycafe.com/)※対象年齢:4歳以上

【ココがポイント】
・モンスターの特徴から名前を考える「連想力」が養われる!
・人が付けた名前も覚えておく「記憶力」が勝敗のカギに!

【どんなゲーム?】

遊ぶだけで“英才教育”になる、 雨の日に親子で楽しみたいアナログゲーム3選

頭と手足だけの不思議な生物「ナンジャモンジャ族」に名前を付けてあげる、ロシア生まれのカードゲーム。2016年の国内販売開始以来、大ヒットを続けている。

山札から順番にカードをめくり、名前のないナンジャモンジャが出た場合には、めくった人が自由に名前を付け、すでに名前が付けられている場合は、その名を叫んだ人(めくった人以外でもOK)が、そこまでに貯まったカードをすべてゲットできる、というのが基本ルール。

山札がなくなるまでこれを繰り返し、最後に一番多くカードを持っている人が勝利者となる。

種類が多いため、自分が付けた名前なのに忘れてしまうこともしばしば。ルールが簡単かつ年齢による能力差が出にくいゲームなので、小さな子供と一緒に本気で楽しめる点が大きな魅力だ。大人同士で遊ぶ場合は、ナンジャモンジャの特徴から覚えやすい名前を付けるか、あえて難しい名前を付けるのかという戦略を考えるのも楽しい。

【親子で遊んでもらいました!】
「親子ではもちろん、大人同士でもこういうアナログゲームをしたことはないですね」という露木啓介さん。
ルールを覚えるのが面倒かも、という苦手意識があったようだが、「ナンジャモンジャ」については、「こんなに簡単なゲームもあるんですね。これなら息子にもすぐ教えてあげられますよ(笑)」と感心した様子。
遊ぶだけで“英才教育”になる、 雨の日に親子で楽しみたいアナログゲーム3選
今年で5歳になるという愛息・新大(アラタ)くんを交え、家族みんなで、さっそく体験してもらったところ……。オトーチャン「なんで、このナンジャモンジャの名前が『タケオちゃん』なの??」

アラタくん「だって似てるから!」(友達なのかな?)と、アラタくんの自由すぎるネーミングセンスに、両親ともいきなり翻弄されまくり。

遊ぶだけで“英才教育”になる、 雨の日に親子で楽しみたいアナログゲーム3選
ナンジャモンジャの名前を覚えておく記憶力に関しても、「もじゃもじゃしてるからモジャモジャ君でいいかな?」なんて、オトーチャンのネーミングセンスがベタだったことも幸い?し、ズバリズバリと名前を当てていくアラタくんが、圧倒的な勝利を収めたのであった。

遊ぶだけで“英才教育”になる、 雨の日に親子で楽しみたいアナログゲーム3選
「ルールが簡単なので、子供向けのゲームなのかとナメてましたけど、本気で負けちゃいましたよ(苦笑)。これ、大人も記憶力を鍛えるのに良さそうですね。家の中でも、みんなで遊べることが増えて嬉しいです!」(露木さん)。と、遊び終えたオトーチャンも、かなりエンジョイできたようだった。


【ほかにもあるぞ! 人気のゲーム選】
“順番に名前を言うだけ”がこんなに難しくて面白い!
「トマトマト」

遊ぶだけで“英才教育”になる、 雨の日に親子で楽しみたいアナログゲーム3選
2376円[税込]/オインクゲームズ(ジェリーオンライン https://shop.jellyjellycafe.com/)※対象年齢:6歳以上

【ココがポイント】
・言葉のつながりの面白さを発見する「情操教育」に役立つ!
・早口言葉のように「滑舌の向上」や「脳トレ」の効果も!

【どんなゲーム?】
サイコロを振って出た目の数だけカードを並べ、描かれた絵柄の順番通りにカードを読み上げればOK、というだけの超シンプルな基本ルールが話題となった国産カードゲーム。

面白さの秘密は、使用するカードが「トマト」、「マ(魔)」、「マト(的)」、「ト(戸)」の4種だけ、という点。カードが増えていくごとに「トマト、ト、マ、トマト、マト、マ……」なんて、どんどん読みにくくなっていくのだ。

滑舌の良し悪しがカギを握るゲームなので、年齢の差はまったく無関係。

カードの言葉を読んでいき、もし詰まった人がいたら、その人以外で場に並んだカードを指差しをして1枚ずつ取っていく。そして、山札がなくなった時点で「トマト」の言葉(「トマト」単体だけでなく、「ト(戸)」+「マト(的)」など、言葉を組み合わせてもOK)を手元でいくつ完成させられるかで勝敗が決まる。

実際に遊んでみれば、予想以上に盛り上がることがわかるはず。大人同士のパーティーゲームとしてもオススメ。

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相手の見事な回答に思わず唸ることも!
「ワードスナイパー」

遊ぶだけで“英才教育”になる、 雨の日に親子で楽しみたいアナログゲーム3選
650円[税込]/リゴレ(ジェリーオンライン https://shop.jellyjellycafe.com/)※対象年齢:5歳以上

【ココがポイント】
・お題から連想される「言葉を思いつく能力」が高まる!
・スピードも要求されるので「思考力」も鍛えられる!

【どんなゲーム?】
「わ」から始まる「鳥」といえば? というように、キーワードとお題の組み合わせ例を、誰よりも素早く言えば得点になる、「古今東西ゲーム」を進化させたようなカードゲーム。

カードの表面に「お題」、裏面に「キーワード」が書かれており、山積みのカードを1枚めくることで明らかになる「お題」と、山の1枚目に現れる「キーワード」から、連想される答えを素早く思いつけるかどうかが勝負のカギ。

カードによって得られる点数が異なる点もミソ。こちらも山札が無くなったら終了のゲームで、カードに書かれ得点を足し合わせた数が得点に。合計点が最も多い人が勝利となる。

「四字熟語」や「調味料」など、ちょっと難しいお題も含まれているので、小さな子供と遊ぶ際には、簡単なカードを中心に抜き出しておくと良いだろう。

外遊びができない天候でも、こんなゲームがあれば親子水入らずの、素敵なひと時を過ごすことができるはず。アウトドア派のオトーチャンたちも、たまにはアナログゲームで遊んでみてはいかが?

[取材協力]
ボードゲームカフェ「ジェリー ジェリー カフェ」
https://jellyjellycafe.com/

撮影=山本恭平 取材・文=石井敏郎