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ネコとオッサン2019-OSSANS LOVE CATS!-
オッサンはネコが好き。いや、イヌも好き。
リビングに入って早々に出迎えてくれたのは、エキゾチックショートヘアのこま。描種は異なるが、CMで話題となった「ふてニャン」にそっくりだとよくいわれる。
ふてくされた表情のふてニャンに対し、困り顔が特徴的だったため「こま」と命名された。
ご主人夫婦が立ち寄ったペットショップで、独特のマイペースオーラを振りまいていたというこま。愛らしいルックスも相まって、ご夫婦の心を一気に鷲掴みし、家へ迎え入れられることとなったらしい。
初対面の人にも自らすり寄っていき、すぐにお腹を見せるほどの無防備さ。基本的に活発に動き回ることはせず、座っていたり床に伸びていたりすることが多いのんびり屋だという。ぽや~っとした穏やかな雰囲気に、誰もが次第にこまのペースに引きこまれていく。
NEXT PAGE /機嫌の波がなく「温厚」という言葉がぴったりなこまだが、目の色を変えて興奮するものがある。それが、このカットボード。ご主人が知人からプレゼントされたものだそうだが、なぜかこまはこのカットボードを出すと、ぴったりくっついて抱いたまま離れなくなってしまう。
材質によるものなのか、たまたまカットボードが好みどんぴしゃのおもちゃだったのかはわからないが、意外なこまの一面を見れる瞬間。まるで甘えているかのようにトロンとした目がまた愛らしい。
さて、こんな魅力いっぱいのこまと暮らすご主人とは……?
NEXT PAGE /加藤貿易株式会社に勤める、小田嶋慧一さん。実家ではネコを飼っていたが、ひとり暮らしを始めてからはネコを飼う環境ではなかったらしく、約10年ぶりに飼ったネコがこまだった。
結婚後に建てたこちらの一軒家には、ネコドアをはじめ、ネコの視点で設計されたキャットウォークや日向ぼっこエリアも。愛するこまのためのネコハウスを造り上げた。
そして、家だけに止まらず、小田嶋さんが身に着けているものにもネコ愛が。その日着用していたのは、こまがプリントされたTシャツと、ネコモチーフのリング。
「ネコグッズって、可愛らしいデザインが多いじゃないですか。男性は身に着けにくいと思うんですけど、ネコモチーフだけどスタイリッシュなグッズを厳選して購入しています」。
NEXT PAGE /そんな小田嶋さんとこまの定番の遊びが、追いかけっこ。
こまが足にスリスリしてゴロンとしたり、段ボールに入ったりしたら、小田嶋さんに甘えている合図。
そうして始まる追いかけっこは、リビングや木鉢の後ろを走りまわり、カーテンの中を通って、その先にある爪とぎで爪をといで終了というのがお決まりのルート。
追いかけっこをするこまの姿は、正直俊敏とはいえないスローな動き。しかし、小田嶋さんと遊ぶ時間が楽しくて仕方ないという様子は伝わってくる。
「この前、こまがコップを倒して水をこぼしちゃったんですよ。普段はまったく粗相をしない子だから本人がすごく恐縮しちゃったみたいで、『やっちゃった……』って顔をしながら部屋の隅で申し訳なさそうにしていた姿がこまらしかったですね。
甘えて、遊んで、まるで親子のようなふたり。今日も小田嶋さんにかまってもらうべく、家ではこまが首を長くして帰りを待っている。
石原さくら(いしはら さくら)=写真
猫写真家・ブリーダー
’76年生。東京工芸大学写真学科卒業後、女性ファッション誌、カルチャー誌、広告を中心に活動。’08年に愛玩動物飼養管理士を取得して以降は猫写真家としてさまざまな媒体で猫の写真を撮り続ける傍ら、ブリーダーとして自ら猫を育てている。
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