PUNK日本酒●「俺たちが飲みたい日本酒は違うんだよね」と名乗りを上げた若手醸造家たち。不要なルールは無視して、とにかく美味いこと最優先。その結果、日本酒の世界はここ10年で格段に進化した。そんな造り手たちが放つPUNKな日本酒をレコメンド。
日本酒業界で話題の新星「WAKAZE」をご存知だろうか?
そのスタイリッシュなボトルデザインと斬新な味わいは従来の日本酒の概念を覆すほどのインパクトがあり、最近では日本酒を「世界酒」にすべくフランスに“殴り込み”をかけた、まさにPUNKな男たちなのだ。

WAKAZEの醸造責任者で杜氏の今井翔也さん(31歳)に日本酒造りにかける想いを聞いた。
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──最近、WAKAZEのスタイリッシュなボトルを見かける機会が増えてきましたが、種類もかなり豊富ですよね?
今井 ありがとうございます。WAKAZEの酒造りの本拠地は山形にあるんですが、昨年7月に、レストランを併設した三軒茶屋醸造所をオープンして、三軒茶屋では新しい酒を意欲的に造っています。昨年は年間で30を超える新しいレシピの酒を仕込みました。レストランでお客さんの反応を見ながら、高速で試行錯誤しています。
──30ですか!? 新たなレシピというのは、例えば?
今井 昨年、副原料として花・柑橘・茶葉を取り入れたお酒を開発しました。これらを米と一緒に発酵させるので、法的には「日本酒」ではなく、「その他の醸造酒」扱いになります。クラフトビールなどでボタニカルを取り入れる動きはありましたが、日本酒ではうちが世界で初めてです。