>連載「隣のオッサンは青いか?」を読む

有機野菜や無添加洗剤、オーガニックコットン……。近頃すっかり市民権を得た感のあるオーガニック製品の数々。

休日に買い物に行き、よかれと持って安売りの製品を選んできたにも関わらず「あー、野菜や果物はオーガニックにして欲しかった」なんて、妻から軽く小言を言われてしまう夫も多いのでは?

確かにまわりにも「ウチは最近オーガニック派」なんて声をよく耳にする。でも割高なのになぜ、そこまでにこだわるのか。隣の40代に聞いてみた。

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実は20%に満たないオーガニック浸透率

Q.あなたのご家庭では、オーガニック製品を取り入れていますか?
・取り入れている 18%
・取り入れていない 82%

すっかり市民権を得た、と思っていたオーガニック製品だが、意外にも取り入れていると答えた人は20%弱という結果に。矢野経済研究所が2018年に発表した調査によると、欧米各国では数兆円規模の市場が形成されており、年々増加傾向にある一方で、ここ日本ではまだまだ、一部の消費者が利用する程度の規模にとどまっているのが実情。有機農業の生産面積を見ても、全体の1%にも満たないという。

とはいえ、一般のスーパーでもよく見かけようになっているし、オーガニック専門店も着々と増え続けている印象をもつ人は少なくないはず。

実際にはどういったオーガニック製品が取り入れられているのか。次の回答を見てみよう。


野菜、調味料、洗剤など、体に近いものからオーガニックに

Q.(取り入れていると答えた人に)あなたの家ではどんなオーガニック製品を取り入れていますか?
・「有機野菜」(46歳)
・「家庭菜園のトマト」(48歳)
・「無添加砂糖」(42歳)
・「塩」(49歳)
・「あらゆるものを無添加に」(49歳)
・「洗剤や醤油」(44歳)
・「洗顔石鹸」(44歳)

最も多かった回答は、農薬や化学肥料を使用せず、自然のまま育てられた有機野菜だ。中には家庭菜園で自作している人もチラホラ。ガーデニングに使用する肥料も有機という、より意識の高い人もいる。

直接口に入れるものだからこそ、なのかもしれないが、砂糖や塩、醤油など、調味料系に関してもオーガニックを導入している回答は多く見られた。また、シャンプーやボディソープ、洗剤など、肌に直接使用するものの利用率が高いのも特筆しておきたい。

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オーシャンズ的には、家族ファーストな選択を推したい

Q.(取り入れていると答えた人に)オーガニック製品を選ぶ理由を教えてください。
「野菜本来の味がするし、安心して食べられる」(44歳)
「変にクセがない味」(44歳)
「無添加石鹸で肌が安定した」(48歳)
「家族の健康のため」(46歳)
「妻の健康を気遣って」(44歳)
「子供の将来の健康を考えている」(48歳)

まだまだマーケットが小さく販売しているところも多いとは言えない分、価格的にもやや割高。にも関わらず、オーガニック製品を選択する人たち。そこにはれっきとした理由がある。

野菜や調味料などの食に関しては、美味しさと安全性だ。“少し値は張るが”という前置きはあるものの、「美味い」「素材の味がする」「安心感がある」という理由で支持する声が圧倒的に多い。

「野菜に虫が葉っぱについていたりするとびっくりするが、採れたては美味しい」という回答もあるように、多少見た目は悪くても自然本来の味とはこういうもの、と知っておくのは、子供にとっても好影響なはずだ。

また、「安心」を理由にする先にあるのが、やはり家族の存在。化学肥料を使わない野菜はもちろん、化学的な成分をほとんど使用せず、肌に対しても低刺激なオーガニック洗剤や石鹸などは、肌にアレルギーを持つ子供などにとっては最低限の選択と言える。「洗濯洗剤を変えただけで、肌が落ち着いた」なんて声も少なくない。「子供の肌が少し敏感だから」、「妻の健康」など、家族ファーストな意見が目立つのは好印象である。

まだまだ少数派とはいえ、すでにオーガニックライフを実践している人たちには、単なる流行や話題性ではなく、製品の本質を理解し、明確な目的意識を持っていることがわかった。

自身はもちろん、家族との幸せな暮らしの基本は健康である。取り入れられるところから着実に。妻任せにせず、主体的にオーガニック製品に目を向けることが、家族を持つ40代男性に求められる姿勢ではないか。

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ファストアスク=アンケート協力
対象:40代男性205人