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「時短ケアのススメ」とは……

街中で「高地(低酸素)トレーニング」体験できてしまうトレーニングスタジオ「ハイアルチ」のプロデューサーであり、Jリーガーを筆頭に多くトップアスリートのフィジカルコーチを務める新田幸一さんに、短時間でも効果抜群のトレーニング&ケア術をレクチャーしてもらう本企画。

外出自粛生活が長引き、体を動かさない日々が続くことで、「太腿がいつも張った感じがする」「床に落ちた物を立ったまま取りづらくなった……」。

そんな体の変化を感じてはいないだろうか? それは、太腿の筋肉が硬くなっていることが原因かもしれない。今回は、太腿の筋肉をほぐす時短ストレッチを紹介しよう。

生活習慣病予防にも効果あり! 運動不足で硬くなった太腿をほぐす1分間ストレッチ
【教えてくれる人】新田幸一さん


高地トレーニングを街中で体験できるスタジオ「ハイアルチ」の開発者であり、プロデューサー。長年のトップアスリートたちへの指導経験を活かし、高地トレーニングの効果を最大限に引き上げるメニューを構築。現在は、浦和レッズの槙野智章選手をはじめとしたトップアスリートのほか、大学駅伝の選手たちのトレーナーも務めている。


太腿の硬さが生活習慣病の原因に!?

太腿は、歩いているときも座っている時も常に負荷がかかる部位。だからとても硬くなりやすく、そのまま放置しておくことはとても危険なのだ。

太腿の筋肉には、前面についている大腿四頭筋と、後面についているハムストリングスに大別される。大腿四頭筋は全身の筋肉の中で最も大きく、ハムストリングスは4番目に大きい。それだけ巨大な分、コンディションが悪くなれば、さまざまな弊害が発生することは想像に難くないだろう。

「太腿の筋肉が硬くなると、太腿まわりの血管が筋肉に押しつぶされてしまいます。常にスキニージーンズを履いたような状態になっているとイメージしてもらえばわかりやすいのではないでしょうか? 大腿四頭筋もハムストリングスも非常に大きな筋肉である分、毛細血管も含め、血管がたくさん通っています。そのため、血行不良による弊害が強く出てしまうのです」。

そして、太腿の筋肉が硬くなる大きな原因として、運動不足や姿勢の悪さが挙がる。長時間にわたり同じ姿勢を続けるデスクワークは要注意だ。原因になりやすい。もちろん、運動した後にストレッチやマッサージなどのケアをしないことも原因となりやすい

「太腿まわりの血管が締めつけられることで、血の巡りが滞って冷えが悪化します。血行が悪くなれば基礎代謝も滞ってしまうので、太りやすい体質にもなってしまう。悪いことばっかりです。

また太腿は、ふくらはぎとともに血液を循環させるポンプの働きを持っているので、心臓への負担を軽減するためにも太腿の筋肉をほぐしておくことが大切。生活習慣病の予防・改善のためにも、常に柔軟にしておきたいところなんです」。


超時短で太腿の硬さをとる1分間ストレッチ

そこで、大腿四頭筋とハムストリングスの両方をほぐし、さらに筋トレ効果まで期待できる時短ストレッチを紹介。

ひとつ目のフロントキックはハムストリングスを、続くバックキックは大腿四頭筋をストレッチできる。トータル1分程度で完了するエクササイズだ。

「ポイントは、リズミカルに両脚を動かすこと。

股関節から大きく脚を動かすことで、股関節や腰まわりの筋肉もほぐせるため、腰痛の予防・改善にも役立ちます。また、フロントキックは脚を上げたときに太腿の『裏側』が、バックキックは膝を曲げたときに太腿の『前側』がグッと伸ばされている感覚があるか、しっかり確認しながら行いましょう」。

【フロントキック】

生活習慣病予防にも効果あり! 運動不足で硬くなった太腿をほぐす1分間ストレッチ
片脚を大きく前に蹴り出し、同時に逆側の腕を伸ばしてつま先をタッチする。

生活習慣病予防にも効果あり! 運動不足で硬くなった太腿をほぐす1分間ストレッチ
これを左右交互に動きを止めることなく15回ずつ。背すじはできるだけ伸ばした状態でリズミカルに行う。

生活習慣病予防にも効果あり! 運動不足で硬くなった太腿をほぐす1分間ストレッチ
軸足のつま先は正面向き。内外に開かないように注意!

【バックキック】

生活習慣病予防にも効果あり! 運動不足で硬くなった太腿をほぐす1分間ストレッチ
カカトでお尻をキックするようなイメージで片ヒザを曲げ、カカトを両手の手のひ平につける。

生活習慣病予防にも効果あり! 運動不足で硬くなった太腿をほぐす1分間ストレッチ
動きを止めることなく左右の脚をリズミカルに入れ替える。これも左右15回ずつ行う。

「このストレッチ、必ず2種目セットで行うようにしてください」と新田さん。前側と裏側のどちらかだけが硬くなっていると、関節がアンバランスに引っ張られて骨盤がゆがんだり、膝関節が一方向に強く引っ張られてしまうので、腰痛や膝痛を引き起こす原因にもなると言う。1分間でサクッと終わらせてしまおう。

「時短ケアのススメ」
トップアスリートだってしきりに言っている。

「長く現役生活を続けるためには練習と同じくらい体のケアが必要だ」って。毎日せっせと働き、休日は家族サービスに勤しむ40代男性諸君、無理は良くない。まだまだ先は長いのだ。「最近、体のあちこちが痛い」「疲れがちっとも抜けねえ」などと、さまざまな体の不調を感じているなら、ここはひとつ、時短でサクッと体を整えてあげてほしい。上に戻る

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【取材協力】
ハイアルチ 吉祥寺スタジオ
住所:東京都武蔵野市吉祥寺東町1-17-18
電話番号:0422-22-7885
営業:10:00~22:00(平日)、10:00~19:00(土・日・祝)
http://high-alti.jp/
空間をまるごと低酸素状態にしたスタジオで行う「ハイアルチテュード(高地)トレーニング」を、気軽かつ、リーズナブルに体験できる日本初のハイアルチテュード専門スタジオ。専門トレーナー指導のもとでのトレーニングなので、安全に効率よく鍛えられる。
都内では、吉祥寺のほかに、三軒茶屋、代々木上原にスタジオを構える。

 

楠田圭子=取材・文 渡邊明音=写真