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「隣のオッサンは青いか?」とは……

緊急事態宣言が解除され、「新しい生活様式」の名のもと徐々に日常を取り戻しつつある今。その一方で、完全に元に戻すのではなく「在宅勤務が可能なら続けるべき」という声も挙がっている。

「毎日会社に行かなくても自宅でできるならそれでいいし、余った時間を有意義に使いたい」というのは素直な反応だと思うが、そこで気になってしまうのが「そもそも在宅勤務ってどの程度実施されているのか?」ではなかろうか。

今回は、隣の40代男性の在宅勤務状況を聞いてみた。

 


在宅勤務率は半数弱。時差通勤も含めれば50%超

Q.新型コロナウイルス流行の影響で在宅ワークに切り替える企業が増えています。今現在、あなたの会社ではどんな働き方になっていますか?

・在宅勤務になった 20.8%
・一部在宅勤務になった 27.4%
・在宅ではないが時差通勤など別の措置があった 12.3%
・何も変わっていない 39.6%

まず、このアンケートを実施したのは緊急事態宣言からおよそ1カ月後のこと。“ステイホーム”、“外出自粛ムード”の真っ只中である。

そんな状況下でも、在宅勤務で働いていた人は約20%、一部在宅勤務という人は27.4%と、合わせても半分に満たないのが実情。「時差通勤など別の措置があった」という回答を含めれば、新型コロナウイルスの影響で働き方に何かしらの変化があった人は過半数を超える。

一方で「何も変わっていない」と回答した人は約40%。各々の仕事の状況や職種による事情は当然あるだろうが、時代に合わせた働き方の変化が全体に浸透するには、まだまだ時間がかかりそうだ。


課題は在宅でも快適に仕事ができる環境整備

既婚子持ち40代の会社員男性が感じた在宅勤務のメリットとデメリット

それでは、実際に在宅勤務になった人の回答の中から、具体的に「困ったこと」をピックアップしてみよう。その悩みは大きく3つに分けられそうだ。

Q.自宅で働くことで困ったことを教えてください。

【インフラが不十分】
・「紙ベースの資料が見られないこと」(44歳)
・「リモートワーク端末がうまく機能しない」(48歳)
・「在宅勤務に使用するタブレットが使いづらい」(45歳)
・「通信環境が不安定」(47歳)
・「複合機が使えなくなって、資料の出力やスキャニングが出来ない」(46歳)

【家庭内環境】
・「自宅の中で仕事のスペースを確保するのが難しい」(43歳)
・「子供がいるので仕事のメリハリをつけるのが難しい」(48歳)
・「業務での電話の声が家族に迷惑をかける。一方で家族の生活音も業務の電話に紛れ込む」(49歳)

【コミュニケーション・運動不足によるストレス】
・「きちんと情報共有できているのか心配」(47歳)
・「話し相手がいない」(48歳)
・「仕事に適した机と椅子がないから体が痛くなる」(40歳)
・「歩くことがないので運動不足がストレスになる」(49歳)

まず、自宅のインフラが不十分であること。Wi-Fiなどの通信環境や、PC・タブレットのスペック不足に始まり、コピーや資料の出力ができない(あるいは時間がかかる)、会社にある紙ベースの資料が見れないなど、さまざまなデメリットが浮かび上がってくる。

全部細かいことだが、実際に仕事をする立場からすれば大きなストレスの原因になることは想像に難くない。

また、仕事環境が家族のいる自宅になったことも大きな変化だ。それぞれのパーソナルスペースが確保された家ならストレスも少ないだろうが、そんな家庭はごく少数。

こちらは仕事中でも、「パパが家にいる」となれば子供は悪気なしに遊んでくれるようせがむだろうし、共働きの夫婦ならお互いの仕事の電話がカチ合って気まずい思いをする、なんてシーンも多々ある。「これじゃあ仕事になんねえよ」と、少し会社が恋しくなった人も少なくないのでは?

最後は人との接触機会の減少によるコミュニケーション不足の問題。同僚や部下がちゃんと仕事をしているのか? もしあなたが管理する立場の人間ならば気が気じゃないだろう。会社にいれば気軽に話しかけて様子をうかがうなんて造作もないことなのに、リモートとなると「あまりしつこくメールやLINEで聞くと嫌がられるかも」などと余計な気をまわしてしまうもの。

そうなるとコミュニケーションの頻度は自ずと減ってしまうだろうし、会社での些細な会話が、ちょうどいい気晴らしになっていたことに気づいた人もいるだろう。


在宅勤務のメリットは確実に存在する!


既婚子持ち40代の会社員男性が感じた在宅勤務のメリットとデメリット

Q.自宅で働くことで良かったことを教えてください。

・「感染リスクの軽減と、移動時間の無駄が減る」(46歳)
・「時間の融通が利くため、作業効率が良い」(43歳)
・「通勤時間が必要なくなり、家族と晩御飯を同じ時間に食べられるようになったこと」(43歳)
・「通勤時間にとらわれなくてよい。リラックスしてマイペースで仕事ができる」(45歳)
・「家族と一緒にいる時間が長くなった」(41歳)
・「家事と子供の世話が出来ること」(40歳)

とはいえ、在宅勤務がそこまで悪かと言えば、もちろんそんなことはないはずだ。むしろ「働き方を含めたこれまで生活スタイルを見直す良いきっかけになった」という人は多いのではなかろうか。

何と言ってもいちばんのメリットは「時間の融通が利く」ことだろう。まず、通勤時間がいらない。満員電車のストレスもないし、そもそもウイルスの感染リスクが減る。

これは大きい。例えば、早朝に起きてさっさと仕事を片付けてしまえば余った時間を有意義に使う、なんてことができる。

子供と遊ぶ時間、家事を手伝う時間、溜まっていた本を読む時間、勉強する時間……。自分の裁量次第で、生活の充実度をどこまでも高めることができる働き方なのだ。また、家族と過ごす時間が増えたことで、子供の知らなかった一面を垣間見たり、妻と家族の将来について話す時間が増えたなど、毎日夜遅くまで外で仕事する生活の中ではわからなかったことを知る機会にもなっただろう。

在宅勤務のメリットとデメリットは表裏一体。

すでに見えている課題を少しずつ解決し、真の「新しい生活様式」へと徐々に変化していくことを願うばかりだ。だってホームに溢れかえるほどの人混みとギュウギュウの満員電車、あの光景はどう考えても“異常事態”なんだから。

 

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「隣のオッサンは青いか?」
酸いも甘いもかみ分けて、世の中のおおよそのことがわかった年代。けど、いまだにわからないのが、人の心。家族や友人に同僚、あるいは自分の心だって、イマイチ理解できないことは多々あるのだから難しい。そこで、世間に秘めたる胸の内を問う! タテマエはさておき、実際どう考えてます? 上に戻る

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対象:既婚子持ちの40代会社員男性221人