
ヒリヒリするような緊迫感が快楽になる「488ピスタ」や「F8トリブート」など、V8エンジンをミッドに積むフェラーリとは異なり、気軽にコンビニに行けるような“一見”物腰ソフトな「ポルトフィーノ」が、この度「ポルトフィーノM」へと進化した。
3855ccのV8ツインターボをフロントに搭載し、後輪を駆動させるFRフェラーリ。2+2の4人乗りで、後席は狭いながらも子供なら毎日送迎することができるだろう。スイッチを押せば14秒で、ハードルーフが開いて頭上に太陽と青空が広がる。
ちなみに車名は、地中海の美しい海に臨むイタリアの高級リゾート「ポルトフィーノ」に由来する。

2方向に“モディファイ”されたポルトフィーノ

新型コロナによる一時的なファクトリー閉鎖後、最初に発表されるフェラーリ。車名に入った「M」はモディファイの意味で、同社ではパフォーマンスを押し上げる進化を遂げたモデル(F512M、575Mマラネロなど)に使われてきた記号だ。
Mたる由縁は、まず従来のポルトフィーノに対して最高出力が20ps引き上げられて620psとなったこと、7速デュアルクラッチから小型で高効率な8速デュアルクラッチトランスミッションへと進化したこと。
さらにドライビングモード「マネッティーノ」が従来の「ウェット」「コンフォート」「スポーツ」「ESC(横すべり防止機能)オフ」の4モードに加え「レース」モードが追加されたこと。

ドライビングプレジャーを最大限に引き出すことに重点が置かれたこのレースモードでは、ドライバーのステアリングとアクセル操作をより直感的にしてくれる。そのために最新機能がエンジンや四輪を微細にコントロールし、アクセルやステアリングやアクセルによるドライバーの指示をタイムラグなく、瞬時に伝えてくれる。