
「中古以上・旧車未満な車図鑑」とは……
vol.18:「NSX」
ホンダ、1990年~
今から約30年前。NSXが誕生した1990年9月13日は、日本に初めて「スーパーカー」が生まれた日だと言って良いだろう。
スーパーカーとはなんぞや?については人それぞれだろうが、NSXはエンジンをシート後ろに積み、全幅が1800mmを超えるのに車高は1170mmと当時の小学1年生の平均身長なみというワイド&ローフォルム。リトラクタブル・ヘッドライトを備え、最高速度は270km/hに達する。
ランボルギーニカウンタックやフェラーリ512BBなどに憧れた人間からすれば十分にスーパーカーだ。

ターボなど過給器に頼らず、自然吸気で7300rpmという高回転まで回せば、甲高く心地良いサウンドとともに最大出力280psを発揮するそのエンジンを、世界初となるオールアルミ製モノコックボディのミッドに搭載。
ミッドシップレイアウトやボディの軽量化によって、コマのようによく曲がり、鋭く加速し、ブレーキング性能も高まる。

あのF1レジェンドも開発に携わる
その開発過程で、ホンダがアドバイス仰いだ人物がいる。アイルトン・セナだ。
当時は彼とアラン・プロストというスーパースターが同じマクラーレンチームに所属し、どちらかが必ず勝利していたようなF1黄金時代。
そのマクラーレンのF1マシンにエンジンを供給するカタチで参戦していたホンダは、NSXの発売前の1989年、F1のニューマシンのテストで鈴鹿サーキットを訪れていたセナに、NSXのプロトタイプのステアリングを預けた。