【職人技が生み出す究極のビスポークモデルをじっくり見る】(写真8点)
ブロワー・カーワン
ブロワー・コンティニュエーション・シリーズの1号車は、クラシックなデザインを完璧に再現している。ボディは当時も使用されたレクザイン社製の人工皮革のレザークロス生地で縁取られ、ベースとなったオリジナルのブロワー(チームカーNo.2、登録番号UU 5872)の色を再現した特注のバーキングリーンのペイントで仕上げられた。チームカーNo.2、登録番号UU 5872は、ティム・バーキン卿が製作、所有、レースに参加した車で、現在もベントレーモーターズが所有している。バーキングリーンのボディには同色のワイヤーホイールが装着され、インテリアには同色のレザーが使用され、折りたたみ式のルーフはブラックとなっている。
メカニズム的にはバーキンのオリジナルと同じだが、安全上重要な2つの特徴がある。それは、最新の電動燃料ポンプと、燃料タンクへのフォームバッフルだ。また、オリジナルのダイナモを改良したダイナメーターが追加され、外観を維持しながら、よりパワフルで信頼性の高い充電システムを実現している。エンジンはW.O.ベントレー自身が設計した4.5リッターの新品で、アルミニウムピストン、オーバーヘッドカムシャフト、シリンダーあたり4バルブ、ツインスパークプラグを備えている。フロントにはブロワーの名の由来となった象徴的なスーパーチャージャーが取り付けられており、これは著名なエンジニアであるアマースト ・ヴィリエが1920年代に製作したものを正確に再現したもの。エンジンのサインオフ時に出力を測定したところ、100年近い歴史を持つこの設計にもかかわらず、240bhpを確実に発揮している。
バカラル・カーワン
バカラルのデザインは想像力をかきたてるもので、内外装の素材、色、仕上げのほとんどがビスポークだ。カーボンファイバー製のボディは、カスタマーのビスポークカラーであるシャンパン色を帯びたサテンシルバー「アトム・シルバー」で仕上げられている。22インチのバカラル・トライフィニッシュ・ホイールには、ポリッシュ仕上げのフェース、ダークグレーのサテン・スポーク、グロス・モスグリーンのアクセント・ハイライトが施されている。モスグリーンのアクセントは、フロントグリルのセンターバー、ヘッドランプの内側、アッパーボディのクロームサラウンド、リアのグロスブラックの「パワーハンプ」周辺にも採用されている。また、Aピラー、グリルのメッシュとサラウンド、ボンネットベント、サイドベント、ロワーボディ、リアバンパーインサート、ブレーキキャリパーにもグロスブラックのコントラストが見られる。リアは、グロスブラックのアウターエキゾーストチップとモスグリーンのインナーで仕上げられた。
バカラル・カーワンのインテリアは、ベルーガのレザーにモスグリーンのハイドをアクセントとしてバカラル独自のキルティングパターンによるコントラストステッチがコンソールのウィング、アウター・シートバック、キャビン全体へ施されている。シートセンターには上質なナッパレザーを使用し、カーペットはベルーガのダイヤモンドカービングを採用したオーバーマットにモスグリーンのバインディングとステッチがアクセントになっている。また、バカラル・カーワンのキーは車に合わせてモスグリーンのステッチが施され、ベルーガのハイドで縁取られた特注のキーボックスに入れてカスタマーに渡される。キーそのものの側面はグロス・モスグリーンで、バカラルの特別なローレット仕上げが施されている。
ベントレーのマリナーとモータースポーツ担当取締役であるポール・ウィリアムは次のようにコメントしている。
「最初の2台が完成したことで、チーム全体が大きな誇りを感じています。
ブロワー・カーワンとバカラル・カーワンはまもなくそれぞれのオーナーのもとへ旅立つ。一方、マリナーの製造チームは、これらの最初の車と同様に、それぞれのオーナーにとって特別で唯一な、次の3台の車の製造を続けていく。