危ないです。この本を読んだら、生活のすぐ側に、とんでもなく面白い“未知”が広がっていることに気がついちゃうじゃないですか。
ひとりでいることの豊かなさみしさと、誰かといることの大切なあたたかさ。すみずみが、優しく見つめられ書き出されていく。——古賀及子さん(エッセイスト)
令和エッセイの名手、スズキナオによる記念碑的デビュー作『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』の続編となる傑作旅エッセイ! 「まえがき」公開!
『デイリーポータルZ』というWEBサイトがある。「愉快な気分になりますが、役に立つことはありません」というキャッチフレーズを掲げる読み物系サイトである。私は2017年からそのサイトで取材記事を書いていて、今もだいたい月に1回のペースで執筆している。
会社員時代からずっと好きで読んでいたWEBサイトだったので、そこに文章を書けることになったときはうれしさよりも緊張が勝った。とんでもない知識や独創性を持ったライターの方々が書いているから、それに負けないように頑張らなくてはと、最初のほうは焦っていた。
しかし、そんなふうに無理をしてもその方々と並ぶようなものは書けないとわかり、ある時点で諦めた。そして諦めてみたらすごく楽になり、むしろそこから自分らしい文章が書けるようになった気がする。
本書は、その『デイリーポータルZ』に向けて書いてきた原稿を選りすぐり、加筆修正をしたものである。毎月、「次はこんなことを書いてみようかな」とぼんやり考え、自分で企画を立て、編集部に提案する(ごくまれに編集部から「こんな企画に参加してみてください!」と言われることもある)。
私の最初の編集担当は古賀及子(こが・ちかこ)さんで、古賀さんがエッセイストとして独立されてからは編集長の林雄司さんに担当していただいている。
ほぼすべての記事がそれぞれに独立しているので、どこから読んでも、途中でやめても問題はない。「大爆笑!」という感じの文章ではないと思うが、少しは愉快な気持ちになってもらえるかもしれない。ちょっと疲れたとき、ほんの少しだけ暇ができたとき、電車に乗ってどこかへ出かける途中など、気ままにページを開いていただけたらうれしい。
Credit: 文=スズキナオ
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