全国の自治体で3番目に多い待機児童の解消に向け、沖縄県名護市が同市大北で計画していた幼保連携型認定こども園の整備が、受注した社会福祉法人の辞退で頓挫したことが16日までに分かった。建設資材の高騰に加え、施設周辺で子どもの声が響かないよう設計変更が必要になり、事業費が膨らんだことが理由という。
市は再度の業者公募は行わない方針で、既存の認定保育施設で保育士を増やして入所枠を確保したり、小規模な保育施設を新設したりして受け皿の拡大を目指す。(北部報道部・松田駿太)
 認定こども園の整備計画は、2022年12月に決まった。複数の企業から企画提案を受ける公募型プロポーザル方式で23年4月、埼玉県に本部を持つ「社会福祉法人タイケン福祉会」を設置・運営法人に選定。定員131人でことし4月の開園を描いていた。
 市子育て支援課によると、こども園の整備には国の「就学前教育保育施設整備交付金」と市の補助メニューを活用。本体工事費や実施設計の経費などを対象に、法人に約3億6千万円を助成する予定だった。
 

 しかし周辺住民から子どもの声が響かないよう配慮してほしいとの要望が上がり、2階建てで屋上に子どもが遊べるスペースを設ける当初の設計が3階建てに変更。建設資材の高騰などもあり経費が大幅に膨らんだとして、法人側からことし2月に設置・運営から辞退する申し出があった。
 こども家庭庁の調査によると、23年4月1日時点の待機児童数は沖縄県が全国で最も多い411人(待機児童率0・66%)。名護市は県内最多の56人(同1・73%)で全国の自治体で3番目に多い。
 市は定員19人以下の小規模保育事業所2カ所の開設を模索しているほか、名護市立大北幼稚園で新たに3~4歳児30人の受け入れを開始、市立緑風こども園でも19人の入所枠を確保するなど対応を進めている。
 市子育て支援課の担当者は「これらの取り組みもあって、現在集計中の待機児童数は昨年より増えない見込みだ。
解消に向けて引き続きできることからやっていく」と話した。
 法人側は、担当者不在を理由に16日までの本紙の問い合わせに回答していない。
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