那覇の中心部にあり、デパートリウボウ7階に店を構える書店「リブロ」が5月いっぱいで閉店する。
 開店当時「県内最大」を誇った戸田書店・豊見城店が閉店したのは4年前。
TSUTAYA(ツタヤ)の店舗の閉店も相次いでいる。
 よく立ち寄った街の本屋さんがなくなるのは、地域の文化の灯が消えるようで寂しい。
 一般社団法人・日本出版インフラセンターの調べによると、2024年3月時点の全国の書店数は1万918店。この10年で約3割も減少している。
 県内は23年12月時点で91店、10年前と比べ22%の減だ。
 書店は売り上げの約8割を出版社や取次会社に支払うため、粗利益は2割程度とされている。
低い利益率に加え、雑誌の売り上げの激減が経営を直撃。人口減少やスマートフォンの普及による電子書籍の浸透、娯楽の多様化が追い打ちをかける。
 地域に書店が一つもない「書店ゼロ」が、全国の市町村の4分の1に上っていることも、出版文化産業振興財団の調査で分かっている。
 店じまいは県内に限ったことではないが、書店ゼロの割合は沖縄が56・1%と全国で最も高い。
 関心のある言葉でしか検索しないネットと違って、書店の魅力は新しい興味関心の発見である。知的好奇心をくすぐる良書との出合いは、時に人生をも変える。

 手軽に本を入手できる場所が近くにないというのは、文化的資源の格差につながりかねない。
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 国も地域の本屋さんの激減に危機感を抱いている。
 書店を「創造性が育まれる文化創造基盤」と位置付ける経済産業省は先月、専門のプロジェクトチームを立ち上げた。 
 今月17日には、斎藤健経産相が書店経営者と車座対話を開き、経営上の課題や集客に向けた工夫について意見交換した。
 出席者からは、店員育成の仕組みの必要性や創業支援を求める声のほか、店のスペースをイベント用に無償で貸す取り組みなどの紹介があった。
 今後、集客に向けて工夫した事例をまとめ、海外での取り組みも参考に支援に乗り出すという。

 関係者だけにとどまらず、地域住民の声にも耳を傾け、具体的施策を検討してもらいたい。
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 県内の書店員が一番読んでほしい本を選ぶ「第10回沖縄書店大賞」が発表されたばかりだ。多くの読者に書店に足を運んでもらうことを願って始まった。
 昨年12月、直木賞作家の今村翔吾さんがJR佐賀駅に開いた書店は、同駅から書店が撤退し、復活を望む声を聞いたことがきっかけだった。
 青森県八戸市にある全国でも珍しい市営の書店は、東京に負けない読書環境を整えたいと開設された。
 地方では文化発信の場が失われることへの危機感が強い。
人生の糧ともなる書店文化を広く島々に。