「いびきがひどく熟睡できない」「せきやたんが続いている」「のどの違和感が出てきた」「だるくて仕事や勉強に集中できない」「天気の悪い日は頭が痛い」。こうした症状はありませんか? 思い当たる症状があれば、アレルギー性鼻炎を疑ってください。
アレルギー性鼻炎はくしゃみや鼻水、鼻づまりが特徴と思われがちですが、この症状は寒暖差の大きい本土、あるいは花粉症の症状で、沖縄のように寒暖差が小さく暑い地域では、くしゃみ、鼻水はほとんどなくなって鼻づまりが中心です。鼻づまりはだんだん慣れてくるためほとんど自覚はなくなり、冒頭の症状に置き換わります。
沖縄には花粉症はありませんが、ダニを抗原としたアレルギー疾患が非常に多いです。それはダニの増減には気温と湿度が関係するからです。気温、湿度が上がるほどダニは増えます。世界の疫学調査では、日本本土のダニの抗原量は米国の10倍、欧州の25倍で、沖縄は過去の研究で本土の10倍と報告されており、世界的に見てダニが非常に多い土地だと分かります。
アレルギー疾患を持つ人のうち、ダニに感作している割合は日本本土では30%、台湾では85%、インドネシアでは90%以上と報告されています。沖縄は台湾と気候風土が似ているため、アレルギー疾患の感作率は85%程度と推察されます。
地球温暖化の影響で、ダニによるアレルギー疾患の増加が各地で確認されていて、厚生労働省のデータでは過去10年間で10%以上増えています。沖縄も例外ではなく、特にアレルギー性鼻炎が急激に増えているため、冒頭のような症状を初めて自覚する患者が増えています。
花粉症を含めたアレルギー性鼻炎は日常生活に支障を来し、生産性が著しく低下すると知られています。政府は昨年4月、花粉症、アレルギー性鼻炎に対し重点的に対応する政策を発表しました。