【与那原】与那原町による「脱炭素シンポジウム」が19日、同町の上の森かなちホールであり、モデルの知花くららさんが講演した。ミス・ユニバース世界大会で2位になった翌年の2007年から約15年間、国連世界食糧計画(WFP)で活動した経験を紹介。
「温暖化の影響はアフリカなどの厳しい生活事情の人々を直撃する」と訴え「Think globally,act locally(地球規模で考えて足元から行動を)」と呼びかけた。(南部報道部・平島夏実)
 WFPは各地で食糧支援をする世界最大の人道支援機関。知花さんは現地を年1回視察し、現状を発信する役割を担った。
 温暖化の影響で洪水と干ばつが交互に襲う地域では、家や畑や橋が流され、ようやく畑を耕し直しても収穫できない状態が続く。「『朝ご飯は何を食べたの?』と子どもたちに聞くと『木の根っこを少しかじってきた』という答えを普通に耳にした」と振り返った。
 わずかな現金収入を得るために国立公園の樹木で木炭を作る村人も。「切ってはいけない木だって知っていますか?」と聞いた際「じゃあこの暮らしをどう変えてくれるのか?」と返されたという。
 知花さんは「満たされている私たちだからこそ、できることを日々の暮らしに落とし込む必要がある」と指摘。選択の余地がある場面では地球規模で考えて選んでほしいと話した。
 講演後のパネルディスカッションには照屋勉町長、琉球大学工学部の千住智信教授、県地球温暖化防止活動推進センターの若林真也さん、お笑いコンビ「こきざみインディアン」のさーねーさんが加わった。
 与那原町は二酸化炭素(CO2)排出の実質ゼロを目標に掲げる環境省の「脱炭素先行地域」に県内で初めて選ばれ、東浜一帯と町内の全公共施設で実質ゼロの実現を目指している。国連は温暖化を止める取り組みとして(1)節電(2)徒歩や自転車での移動(3)(生産の過程で多くの温室効果ガスが出る肉類よりも)野菜を多く食べる-などを勧めている。
WFPで感じた温暖化の深刻さ 知花くららさん、脱炭素シンポで...の画像はこちら >>
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