浮き上がってきたのは男系男子へのこだわりと課題の先送りだ。
衆参両院の正副議長がまとめた総意案は、13党派が参加した会議で示された。
「女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する」「皇籍離脱した旧11宮家の男系男子を養子に迎える」-の主要2案を了とするものだ。
女性皇族に関しては、本人の意向を尊重するなど一定の配慮を求める一方、配偶者と子の身分については直接言及していない。
配偶者が皇族になることで「女系天皇」誕生の可能性があるとし、与党が強く反対したためである。
男女平等の見地から女性皇族の身分保持は当然の流れだとしても、一つの家族で皇族と民間人という法的な権利や立場が異なることの不自然さは拭い切れない。
養子案にも疑問が渦巻く。憲法が定める「門地による差別の禁止」に抵触する恐れがあることだ。
国民の理解を得るため「養親の範囲」「養子自身は皇位継承資格を持たない」といった条件を挙げるものの、世論調査でも賛否は割れている。
約80年前に皇室を離れ一般国民として生まれ暮らしてきた旧宮家の男系男子を、国民は違和感なく受け入れることができるだろうか。
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森英介衆院議長(自民党)は、立法府の総意案を示した後の会見で「養子となった男子に男の子が生まれれば、皇位継承権を持つ」と踏み込んだ。
総意案には含まれない前のめりな発言で、野党の反発を招いたが、本音が透けて見えた場面でもある。
自民党と日本維新の会は連立政権合意書で「古来例外なく男系継承が維持されてきたことの重みを踏まえ」とし、皇統に属する男系男子の養子縁組を認める案を「第一優先」と明記している。
高市早苗首相は、今国会中の皇室典範改正に意欲を見せる。
合意に沿った形で、男系男子維持に比重が置かれているとすれば、危うい決め方である。
総意案とはいうものの、当日賛同を示したのは与党や中道改革連合など7党。多数派が「数の力」で押し切るような問題ではない。
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衆参両院で進める皇族数確保策は皇位継承問題とは切り離すとし、女性・女系天皇について議論することを避けてきた。
今は封印されているが、小泉政権下の2005年、有識者会議が女性・女系天皇を容認する報告書を取りまとめたことがある。
共同通信が先月実施した世論調査では、女性天皇容認は83%に上った。
象徴天皇制は「国民の総意に基づく」ものである。国民の理解なくしては成り立たない。将来に向けて皇位継承策についても、先送りすることなく議論を深めるべきだ。

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