飼料価格や輸送運賃など生産コストもかさみ、21年度内には県内酪農家が4戸廃業し、農家戸数は1974年以来最低の53戸となった。農家の減少で、2022年度の生乳生産量は前年度比約1千トン減の1万8千トン台の見込み。
緊急事態宣言による県独自の臨時休校措置などで余剰乳が発生。加工乳の生乳配合率を増やしたり、県外工場で脱脂粉乳やバターに加工したりするなどの対応策を取ったが、1キロ当たりの取引価格は3~7割落ち込んだ。
20年度に全国一斉休校となった際は、県と国が牛乳から脱脂粉乳などへの変更で売り上げが下がった差額分を農家に補助したが、21年度は県独自の休校措置のため同様の措置がない。
また、19年度から県内各乳業メーカーに生乳取引価格の引き上げを要請、協議しているが、生産量の減少を理由に受け入れられていないという。神谷組合長は「県内全酪農家に支援が届くように、県には学校牛乳の損失分を全額負担してほしい。廃業に歯止めがかからず、県産牛乳の供給がままならなくなる」と訴えた。(政経部・又吉朝香)