吉野家ホールディングス(HD)は、女性の人権を無視した不適切発言で子会社「吉野家」の伊東正明常務を解任したと発表した。
 不適切の表現では済まされない、あまりにひどい女性蔑視の暴言である。
 暴言があったのは、16日に開かれた早稲田大学主催の社会人向け講座。伊東氏は「デジタル時代のマーケティング」をテーマにした講座の講師を務めていた。
 文字にすることもためらうが、若者を牛丼好きにする方法を受講生に提案させようとし、次のように狙いを語ったという。
 「地方から出てきた右も左も分からない生娘さんが、初めて(吉野家を)利用して、そのままシャブ(薬物)漬けになるような企画」
 一瞬、耳を疑った。品性も見識も欠く、明らかな女性蔑視発言である。加えて地方への差別的なまなざしも含まれている。
 商品が売れる仕組みづくりを手がけるマーケティングのプロとして知られているというが、顧客をどのような対象と位置付けていたのだろうか、首をかしげる。
 ツイッターでは「『引く』を通り越して憤りと絶望を感じた」など直後から批判が相次いだ。
 19日の東京株式市場で吉野家HDの株価は前日より40円安い2373円で取引を終えた。予定していた新商品に関する発表会も中止に追い込まれた。
 幹部の発言だっただけに、企業倫理と責任が問われているのだ。
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 吉野家HDは発言が広がった直後に伊東氏の解任を発表した。
 「人権・ジェンダー問題の観点から到底許容することのできない職務上著しく不適切な言動があったため」と理由を説明。