起訴状などによると被告は昨年10月の深夜、那覇市内で歩いていた女性に性的暴行を加えようと後をつけ、駐車場内で車に乗り込んだところを無理やり引きずり出して、首を絞めたり、馬乗りで顔面を複数回殴るなど暴行を加え、けがを負わせたとされる。
冒頭陳述で検察側は、被告が事件前に別の女性を襲おうと追いかけていたが見失い、被害女性を狙うに至ったなど犯行に至る経緯を説明。暴力を途中でやめて逃げたのは、女性に激しく抵抗される中、パトカーのサイレン音が聞こえたからだと指摘した。
弁護側は、被告は祖父と弟を立て続けに亡くした心への負担が大きく影響し、大量に飲酒した後の犯行だったことなどを説明。「被告は一貫して犯行を認め、後悔や反省の態度を示している」と述べた。
被告人質問で、被告は飲酒で「自分の行動や考えをコントロールできない状態になっていた」などと主張。被害者に「死に直面したような恐怖を与えた」と謝罪し、「やってしまった行動に怒りや嫌悪感を感じる」と述べた。
検察側は「抵抗すれば殺されると思ったが、叫ぼうと無我夢中だった」などと当時の状況を語った被害女性の陳述書を紹介。事件後は背後の気配や男性に恐怖心がよみがえるなど身体的・精神的苦痛が示された。