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振り返れば、前作『Beginning』はJESSE、NAKA、T$UYO$HI、ZAXのメンバー4人が膝を突き合わせ、イチから作り上げたという意味を表題に込めていた。その段階を経て、今作はこちらの予想を鮮やかに裏切り、期待を遥かに超えるバンド感を見せつけることに成功している。
冒頭の飾る表題曲を聴き、いままでとは決定的に何かが違うと瞬時にわかるほどだった。徐々に視界が開けていく明るい音色、ウォーウォーの合唱コーラスをイントロに、ヴォーカルは声を荒げるわけでもなく、演奏は過剰な熱量で押し切るわけでもない。リスナーと目と目を合わせ、じっくり対峙するような肝の座ったアプローチを取っている。力強く、懐深く、なにより人間味溢れる音に心の芯から熱くなる感覚だ。
もちろん従来のThe BONEZ節が炸裂した「Revolution feat.Hiro Fujita」のような骨太重厚ナンバーもあるので安心してほしい。荒ぶるシャウト、過剰な熱量も兼ね備えながら、今作が従来の作品と一線を画すのはメンバー4人の性格や息遣いがこれ以上なくダイレクトに音楽へ昇華されている点だろう。音楽ありきの人間ではなく、人間ありきの音楽という視座に彼らは立った。