the pillowsがバンドの完全覚醒を示した黄金期の傑作『Please Mr.Lostman』

11月8日から始まったthe pillowsの全国ツアー『RETURN TO THIRD MOVEMENT! Vol.1』が12月13日にフィナーレを迎える。このツアーは1997年発売の5thアルバム『Please Mr.Lostman』と1998年発売 6thアルバム『LITTLE BUSTERS』の2枚のアルバム収録曲全曲で構成される公演で、メンバー自身がバンドの黄金期の作品と認めるアルバムの完全再現とあってチケットは早くからソールドアウト。the pillowsの確固たるキャリアのなせる業である上に、依然衰えないバンドのパワーを見せつけた格好でもある。本コラムではその『Please Mr.Lostman』を取り上げ、本作が黄金期の作品と位置付けられる所以を調べてみた。

「ストレンジ カメレオン」で 示した決意

キングギドラの『最終兵器』のリリック《言いてぇ事言うのがヒップホップだろ》じゃないが、ロックもやはり言いたいことを言ってこそのロックだと思う。綴られている歌詞が私小説的というか、個人的なもののほうが多くのリスナーの支持を得ることは少なくない。サウンドもそうで、それが所謂時代に沿ったものであるとかないとかは関係なく、そのアーティストが思うままにやったほうがいいようではある。もちろん闇雲に何でもやればいいわけじゃなかろうが、少なくともオンデマンドじゃないもののほうがいい結果を出しているような気がする。代表的なところはUNICORNだろうか。彼らがブレイクしたのは3rdアルバム『服部』。本作はオーケストラによるインスト「ハッタリ」で幕を開け、当時10歳だったという“ペーター”なる子供によって歌われる「ジゴロ」へと続く、冒頭からふざけた印象のあるアルバムではあるが、これが受けたことは事実だし、のちのUNICORNのフリーダムなスタンスを決定付けたとも言える。UNICORN以外で言えば、(その姿勢によってバンドそのものが変わってしまったが)

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