
このライブは春に行なわれた『WONDERFUL MEMORIES TOUR』の追加公演となっているものの、セットリストはガラリと変更に。オープニングを飾ったのは2ndアルバムから「MODERN BOOGIE」で、オリジナルとは異なるアレンジで一気に会場を沸点に持っていく。JILLは大きなスカルのモチーフが印象的な黒を基調とした衣装で、アコースティックギターをかき鳴らした。
9枚目のアルバム『OURS』に収録されている「Famous for 15minutes」では、たくさんの小物(中にはJILL自ら作成したものもあるそう)をステージに置いてパフォーマンスしてみせる。この曲は“15分で誰でも有名になれる”と言ったニューヨークのポップアートの先駆者アンディー・ウォーホルの言葉にインスパイアされて制作されたもので、アイロニックなJILLの詞が印象的なナンバーだ。
ステージを虹のような7色の照明が彩る中披露された「7colors」でも、JILLはアコースティックギターを手に歌う。ギターを弾きながら歌うことに当初は本田を始め他のメンバーも心配していたと話すJILLだが、“初めてバンドを組んだ時の楽しさを思い出した”と嬉しそうに語った。35年という長い時間、全く活動を止めずにバンドを続ける事はそう容易いことではないはず。それでもメンバー4人が互いをリスペクトし合いながらステージに立ち続ける様は、長年彼らとともに年を重ねてきたファンにとって、一番の誇りなのではないだろうか。