暗転した会場を色とりどりのフラッシュリングが彩るなかRickyが現れ、『R☆LITERACY』と同じく「AGITATOR of A☆my」でライヴはスタート。「ようこそ。Rickyです。今日はツアーファイナル。みんながハッピーになれる“とっておき"を持ってきたぜ!」とフロアに挨拶をするとバンドメンバーもステージインし「キミリテラシー」を演奏。今回のアルバムのタイトルにも採用されている“リテラシー"というワード。
会場に七色のレーザーライトが射すと「曖昧モラトリアム」の四つ打ちサウンドが体の芯に響く。このレーザーライトを操っているのが昨年からタッグを組んでいるryosuke hagihara(NAIFF/WING WORKS)だ。
バンドメンバーが退場し、再び巧(Mani)と二人になったRickyが「たくさんのアーティストが世の中にいて、それでたまに凹むこともあるんですけど、そういうとき僕は自分にこう言い聞かせます」と始めたのは「僕には僕の世界がある」。さらに巧のループするシンセに淡々としたポエトリーリーディングを乗せた「独白-Golden Time-」では、朗々と歌い上げるサビとのコントラストが映え、Rickyの歌をより堪能することができた。
バンドメンバーが再びステージインすると重厚なバンドサウンドが炸裂した「BLACK ANT」をプレイし、ばる(Dr/DuelJewel)がそのパワーヒッターぶりを遺憾なく発揮すると、各メンバーのソロタイムを経て始まった「ヨウコソサヨウナラ」では刻(Gt/ex.BFN)の小気味いいカッティングが冴える。そしてラストスパートと言わんばかりにアゲアゲテクノチューン「Hi-Techno-Boy」を叩きつけると、YUCHI(Ba/sukekiyo)のグルーヴィーなベースが会場にうねりをもたらし、オーディエンスはフロアを揺らす。
「さぁ、もっと声を聞かせてもらおうか」とフロアに投げかけるとオーディエンスからRickyを呼ぶ声が響く。先ほどの熱をそのままにキラーチューン「↑UP←SIDE→DOWN↓」をドロップすると、フロアではタイトルのとおり縦横無尽にモッシュが巻き起こり、盛り上がりは最高潮に達する。さらに「まだまだ俺の世界にはみんなの力が必要だ!」と叫ぶと本編ラストに「R☆MY WORLD」を披露。サイリウムの光で埋め尽くされたフロアのA☆myに向けて思いを込めて歌い上げ、Rickyはステージを後にした。
アンコールは季節外れの春の陽気となったこの日のためかのような「春風、吹く日に…」からスタート。曲中に「10年、ありがとう」と感謝を述べると、フロアからは拍手が起こった。
フロアのA☆myからの鳴りやまないアンコールに応えてくれたRickyは10周年記念先行シングルでもある「O.1.O~Only One Ocean~」を披露。赤でもなく青でもない自分だけのオーシャンを作るという“HYPER NEO SOLOIST"にも繋がる意志を歌い、「まだまだ誰も見たことない世界作ろうぜ!一緒にどうだい?」と問い掛けた。まだまだ熱が冷めやらないフロアに対して「まだまだ一緒に暴れたいぜ!」とこの日二度目となる「↑UP←SIDE→DOWN↓」を叩きつけ、さらにフロアから泣きの「あと1回!」コールが飛び出すと「キミリテラシー」をもう一度披露し、この日のライヴの幕を閉じた。
“我がため 誰がため 君がため"。一体何のために、誰のために歌うのか。
photo by 折田琢矢
text by オザキケイト
【セットリスト】
01. AGITATOR of A☆my
02. キミリテラシー
03. 人の振り見て我がREFRECTION
04. 曖昧モラトリアム
05. 雨のスパイラル~A Rainy Spiral~
06. 僕には僕の世界がある
07. 独白-Golden Time-
08. BLACK ANT
09. ヨウコソサヨウナラ
10. Hi-Techno-Boy
11. ↑UP←SIDE→DOWN↓
12. R☆MY WORLD
<ENCORE>
13. 春風 吹く日に…
14. 覚醒リフレーミング
15. 洗脳ビリーヴァー
16. 闇の世界~Light to Light~
17. ALIEN<from>TOKYO
18. My name is…
<ENCORE2>
19. O.1.O~Only One Ocean~
20. ↑UP←SIDE→DOWN↓
21. キミリテラシー