今作に収録される「小さな手」は音楽プロデューサーつんく♂が自ら作詞・作曲した新曲。自らの家族との体験を元にした、母と子の切なくも心温まるストーリーの絵本(双葉社より6月出版予定)を初めて作ることになった際、絵本制作を進める中でこの絵本の世界観を音楽でも表現し、より多く人たちへ届けられないかと考え、かつて2015年に次世代に歌い継ぐ子守唄として「うまれてきてくれて ありがとう」でタッグを組んだクミコに歌唱を依頼。この依頼を受けたクミコはつんく♂の想いに共感しつつ、自身一人で歌うよりも次世代に伝える母と息子の物語であるならば、次の世代へのメッセージを伝える担い手として家族をお持ちの男性と共演することがよいのではないかと提案し、兼ねてより親交があるミュージカル俳優・井上芳雄に直筆の手紙に想いをしたためてデュエットすることに。
しかし、2019年末からの制作当初には誰もが想像しなかった新型コロナウィルスの感染が今年に入ってから拡大し深刻化。2月初旬につんく♂、クミコ、井上芳雄の3名で初めて顔合わせが実現したものの、その後の楽曲作りではなかなか会うことが難しくなっていき、オンラインでコミュニケーションを取りながらのリモート作業に。そして、完成した楽曲には、家族や親子で向き合う機会が増えていく中、不安を抱えている人々の心の希望となり、一つの光になればという願いが込められている。