堂々としたメロディーライン
“スキマスイッチは才能あるアーティストだなぁ”と今言ったところで多くの人に“今頃、何言っての?”と訝しがられるのが落ちだろうが、メジャー1stフルアルバム『夏雲ノイズ』を聴いてみると、やはり“この人たちは早くからその才能を発揮していたんだなぁ”と思わざるを得ない。その優れたポップセンスについては下記で解説していくけれども、とりわけ素晴らしく思ったは、楽曲を構成する要素の塩梅である。親しみやすいが親しみやすさだけでもなく、マニアックな部分もあるにはあるがマニアックになりすぎない。そのバランスが絶妙なのである。キレのいい変化球があるから直球を活かすことができるピッチャーとか、笑える要素を散りばめているから感動的なフィナーレで大いに泣かせる映画や小説とか、そんなふうに喩えてもいいかもしれない。デビュー時からこれをやれたら、そりゃあ大衆の支持を集めるでしょう…と妙に納得してしまった。