テイ・トウワ『Future Listening!』を聴いてアルバムという音楽作品への接し方を考える
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(okmusic UP's)
テイ・トウワが3月3日に4年振り、通算10枚目となるニューアルバム『LP』をリリースした。今週はそのテイのデビュー作『Future Listening!』を紹介する。この作品が発表された時には、世界のクラブミュージックシーンが一躍東京に注目したと言われる名盤中の名盤だ。ダンスビートにブラジル音楽を乗せた、当時は世界的に見ても革新的だったサウンドは改めて聴いてもカッコ良いのだけれど、今回じっくり聴いてみて、この作品にはアルバムならではの味わいがあると感じて、そう感じたことを中心に書いてみた。読み返すと、新作のタイトルに気持ちが引っ張られたところは否めないけれど、それもフィジカルあってこそのことと理解されたし。

アルバム単位で聴くアルバム

この『Future Listening!』を聴き、アルバムという単位で作品を聴くことと、作ることの重要性といったものに今さらながらに気づかされた。今、音楽の聴き方はサブスクが標準であろう。いつでもどこでも気軽に好きな楽曲にアクセスできるようになっている。1億に近い数の楽曲を気軽に聴けるというのは歓迎すべきことではあるのだが、この気軽というのが実はなかなかの曲者である。あまりにも簡単に古今東西の楽曲にアクセスできるようになってしまったがゆえに、もはや必ずしもアルバム単位で楽曲を聴く必要がなくなっている。レコードからCDに、カセットテープからMDに移り変わった時にも似たような傾向はあった。しかしながら、あの時はまだ媒体があったので、例えば、とあるアルバムの2曲目と7曲目を聴きたいとなっても、そのアルバムのレコードやCDを手にするしか術がなかったし、レコードの時は頭出しも面倒なので、自身の体験で言えば結局1曲目から聴いていたような気がする。それがサブスクの時代では検索すれば直接そこにたどり着くわけで、目当ての楽曲を収録したアルバム名すら意識しなくていいことになる。

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