通信障害によりアッツアツの鉄の塊と化したスマホの週間天気予報を何度見ても“これが体温だったとしても外出してはいけないレベル”の最高気温が更新される毎日ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。私は“ウエストコーストロックの聖地”ローレル・キャニオンで誕生した楽曲の数々の秘密に迫るドキュメンタリー『エコー・イン・ザ・キャニオン』を滑り込みで観賞してきました(サントラもあるよ!)。立地はハリウッドのナイトクラブ街から車で約5分。ビートルズに対抗すべく新しい音楽を目指すアーティストたちが鎬を削り、誰かが新しく生み出した作品が他の誰かの創作意欲を刺激するかつての時間と空間に思い馳せるレジェンドたちの瞳の輝きに釘付けになりながら、スピーカーを震わせるドリーミーな音楽に身を預ける至福のひと時を過ごせました。今回はそんな映画から5曲ピックアップします、塩と水を舐めながら。

「It Won't Be Wrong」(’66) /The Byrds

まだらの木漏れ日か枝葉のざわめきか、はたまた遠浅で寄せては帰るさざなみかと喩えたくなるほどナチュラルなコーラスワークに肩をゆらりと横に揺らすも良し。2020年代の現在聴いてもなお斬新なコードワークに耳をそば立てるも良し。途端に拍子の変わる構成に目を見開いて今度は体を縦軸に跳ねさせるも良し。およそ“パンチライン”“エモーショナル”とは無縁な静謐さの中、平熱を保ちつつも早鐘を打つ心のありようを隠さない普遍的なロマンスを描いたシンプルな美しさとやさしさにもたれかかりたくなる絶品のフォークロック。

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