フリクションの『軋轢』は日本のロックが世界的ムーブメントと同時に鳴った記念碑的名盤

フリクションの『軋轢』は日本のロックが世界的ムーブメントと同時に鳴った記念碑的名盤
『軋轢』('80)/フリクション (okmusic UP's)
ONE OK ROCKら、今や世界で活躍する日本のバンドも少なくなくなり、日本発信のサウンドが世界標準になりつつある…と言っても決して大袈裟な物言いには聞こえない2016年現在の音楽シーンであるが、60~70年代は日本のアーティストが海外で活躍することはおろか、世界的に流行っている音楽を日本人が鳴らすまでに数年のタイムラグがあることもあった。フリクションはそうした言わば情弱だったシーンの中で、意欲的に世界標準のサウンドを作り上げることを標榜したロックバンドである。

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■70年代のシーンに衝撃を与えたバンド

「ギターってのは、たった6本の弦を伝わって出てくる人間性なんだ」(ハロルド作石『BECK』)。いきなり漫画の台詞からの引用で恐縮だが、多分この台詞に大きな間違いはないと思う。今やデジタル技術を使えば何でも表現できてしまう時代。自分は音楽を制作する側ではないので詳しいことは分からないけれども、とある音の波形を読み取り、シンセサイザーで再現するようなことも技術的には可能なのかもしれない。だが、それで寸分違わないサウンドを作れるかというと、どうもそうではないらしい。人間の可聴域外の周波数が関係しているという説を聞いたことがあるが、それだけでなく、考えてみれば、細かなタイミングやそれらの強弱を完全再現することが至難の業。演者ならではの呼吸や間がその演奏を決定付けるわけで、だからこそ、波形を合わせるだけでは同じ音にならないと思う。すなわち楽器には人間性が出るということだろう(余談だが、この辺は楽器だけでなく、DJプレイにも言えるらしい。スクラッチやジャグリングといったテクニック、曲のチョイスのみならず、曲のつなぎ方にもその人らしさがあるという)。

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