関東も梅雨明けということでいよいよ夏本番みたいですけど、すでに灼熱の日々すぎてボーッとしているのか、聴く音楽はテクニカルなものより、なるべく頭を使わずに浸れるシンプルな曲を再生したい気分になっています。今回はどこか懐かしい質感があって、なおかつ新鮮な耳当たりで楽しめそうな5曲を、最近のリリースからピックアップ。
酷暑が少しでも紛れますように。

「盆ギリ恋歌」('23)/ サザンオールスターズ

まずは、3カ月連続リリース第一弾として7月17日に配信されたサザンオールスターズの4年振りとなる新曲「盆ギリ恋歌」(ぼんぎりこいうた)。ちょっぴりエロくて自由な解釈ができるインパクト抜群の歌詞や耳から離れないメロディーがてんこ盛りなサザンならではのエキゾチックなナンバーで、盆踊りのような懐かしさと今っぽい音を絶妙にミックスさせたアレンジも最高です。デビュー45周年でなお名曲を生み出せるのがすごすぎますね。

「凍らしたヨーグルト」('21)/ 色々な十字架

エイプリルフールネタで終わる予定が思わぬバズを引き起こし、7月12日にはついに1stアルバム『少し大きい声』をリリースした話題のバンド、色々な十字架。“90'sヴィジュアル系リバイバル”を標榜する彼らの楽曲は、その系譜を継ぐ愛とリスペクトたっぷりの懐かしいサウンド×倫理観のなさすぎる歌詞が新鮮な響きを生んでいます。
「凍らしたヨーグルト」のひんやりとした曲調に酔いしれれば、暑さも忘れられしし者†になれるかも。

「Leap」('23)/Uniolla

LOVE PSYCHEDELICOのKUMIらによるバンド、Uniollaが7月5日にリリースした2ndアルバム『Love me tender』の収録曲。MVやリリックビデオが公開中の「The 1st chapter」「So am I」を含め、懐かしさと新しさを美しく共存させた楽曲が光る彼らですが、この「Leap」ではポストパンク~ニューウェイヴを感じさせるアプローチ、そこにマンドリンなどを交えた軽快なアレンジがたまりません。7月25日から始まる東名阪ツアーも要チェック!

「Musica」('23)/ブランデー戦記

8月9日に1st EP『人類滅亡ワンダーランド』をリリースする大阪発の3ピースバンド、ブランデー戦記。今年1月に本格始動したばかりにもかかわらず、同作に収録の「Musica」はMVが300万回再生を突破し、早耳リスナーの間で話題沸騰中です。歌謡曲やフォークの人懐っこさを帯びた哀愁のメロディーと歌詞、特にサビの《私に足りないのは人生経験とあと何かしら》がとてもキャッチー。
実は音楽への愛を歌っているところも素敵ですね。

「HOPE feat. ヒコロヒー」('23)/ 奇妙礼太郎

音楽活動25周年を記念して制作されたセルフタイトルのアルバムを6月にリリースした奇妙礼太郎。そこに収められた豪華コラボ曲のひとつ「HOPE」では、芸人のヒコロヒーをゲストヴォーカルに迎えています。“煙草”をテーマに《短い希望に火をつける》と歌われる、切なくアンニュイなふたりのハーモニーが懐かしくも新鮮で、だらしない人間のことを笑って赦してくれるようなほっこりとした空気感には、思わず涙が出そうになったりも。

TEXT:田山雄士

田山雄士 プロフィール:フリーのライター。元『CDジャーナル』編集部所属。
同誌の他、『OKMusic』『ナタリー』『bounce』など、雑誌/WEBを中心にお仕事をしています。日本のロックバンド以外に、シンガーソングライターとか洋楽とか映画とかも好きです。