整形をすることで理想の容姿を手に入れたり、自分に自信が持てるようになったりする人は多いだろう。ただ、整形をすれば必ずすべてがうまいくとは限らない。
とはいえ、整形を通して生き方や価値観が変化することはある。そんななか、今回は整形をからそれぞれ“学び”を得た2人のインフルエンサーをピックアップ。整形でのつらい体験や整形に対しての今の考えなどについて、それぞれに話を聞いた。

■とんでもない鼻の形に… “大失敗”をされたことで整形観が大きく変化

 これまでに総額3000万円以上を整形に費やし、現在は顔面のフル整形4周目の最終仕上げ段階に突入している美容系インフルエンサーのRabichanさん(@rabichannn)。1周目は浜崎あゆみ、2周目は派手な美人顔、3周目は童顔ハーフ、4周目はさらに童顔要素を増やす形へと変化を遂げている。

 ところが昨年、受けた施術で“大失敗”されてしまう。
小鼻縮小の傷跡修正の施術を受けた際に、とんでもない鼻の形にされてしまったという。

「術後すぐに小鼻がカーブになっていないと感じましたが、同時にほかの骨切りの施術もしていて輪郭がかなり腫れていたので、その影響もあるかもと…。こんなに顔全体が腫れている状態で騒いでも仕方がないし、気にしないでいようと思っていました」

 その後、別のクリニックで鼻を綺麗に再建してもらい、なんとか可愛らしい鼻の形に修正することができた。

 施術にはデメリットも当然伴う。執刀医からはさまざまなリスクの説明などもされていた。だが、傷の内側に沿った小鼻のラインで仕上げてほしいとお願いしたものが、傷の外側のラインに合わせられてしまい、大きく鼻が変形してしまった。


「『説明もされていないし、聞いていないリスクなのでおかしいよね』という話にはなりました。修正のカウンセリングでいろいろな先生に相談したら、『こんな切り方はしてはいけない切開デザインだ』と言われました」

 執刀医とは術後に話し合いをして返金という形になったものの、「一生懸命やった」「あなたの皮膚が硬いから」などと反論もされたという。

「返金内容も『クリニックは悪くないけど、個人の主観で気に入らないようなので返金します』というもので、すごく嫌な気持ちになりました。30万円返金されても修正に100万円かかったので金銭面の負担もあるし…。小鼻再建なので、頬に傷を残すことにもなりました」

「ほかの施術を受けたついでに『小鼻の傷跡も』と安易にやってしまったことが良くなかった」と、Rabichanさんは今回の失敗に対する反省点を語る。

「特に修正手術は、いろいろなところでカウンセリングを受けて、いろいろな先生の術法を聞き、そのうえで執刀医を選ばなければいけないと実感しました。
たくさんの人に意見を聞いていたら、『こんな切り方はダメでしょ』と言ってくれたと思うので、事前に防げたかもとも思います」

 ここまでやったのだから整形をやりきりたいという気持ちが今までは大きかったが、今回のことで彼女の中の整形観にも大きな変化が起こった。

「こんなにひどい失敗をしたことで、どうしてもネガティブな側面にフォーカスしてビビッてしまうようになりました。これからは、『その施術を半年後にまたやることになってもやりたいのか?』という自問自答をしてから決めようと思っています」

■「自分で自分をいじめることはやめよう」整形した目をあえて一重に戻した理由

 一重がコンプレックスで二重整形をしたものの、その数年後に一重に戻したという加藤由起さん。現在は「一重の時代を私がつくる」をモットーに、TikTokやYouTubeで整形体験談やメイク術などを配信する美容系インフルエンサーとして活動している。

 加藤さんは昔からずっといじられキャラだったという。小学校時代に「由起っていつも眠そうだね」とか「やっぱり二重がいいよね」などと言われたことで、「一重はダメなんだ」と思うようになってしまった。


「中学に行ったら、今度は男子に『お前の目、ちっさ』とか『ファニーフェイス』などと言われるように…。学校では明るく振る舞っていたけど、家ではつらくてずっと鏡を見て泣いていました。そんな姿を親に見られてしまい、『そんなにつらいならコンプレックスは除去しよう』と言われたんです。それが二重整形をしたきっかけでした」

 だが、二重になってもみんなにはいじられて、結局はコンプレックスのまま。高校時代も三枚目キャラなので友達は多かったが、「私のことをブスだと思っているんだろうな」と自分に自信を持てないでいた。

「今思うと、当時の自分は笑われて当然の顔だと思っていて、人に自分の容姿を馬鹿にされることを許していました。
『自分の容姿について人からとやかく言われるのはおかしいこと』だと知らなかったんです」

 その後、二重埋没の施術を3回もしたにもかかわらず、つけまつ毛や濃い化粧をしていたことで、まぶたがかなり垂れ下がってしまった。

「病院に行ったら『眼瞼下垂というまぶたの病気です』と。『治すには、一重か二重、どっちにしますか?』と言われたんです。二重のほうを薦められたのですが、私は一重をお願いしました。一重を希望する人はいないらしく、かなり驚かれました」

 コンプレックスだった一重に戻そうと思ったのは留学が大きかったという。留学先のアメリカでは、人の容姿を馬鹿にする人は白い目で見られる。
さまざまな国籍の人がいるため、違っていることが当たり前。同じであることには魅力を感じない人たちの集まりだった。

「昔の私の写真を見せたら『すごいかわいいじゃん』と言われました。もとから二重まぶたを持つ外国人は多いから一重の人が魅力的みたい。彼らと過ごしているうちに、“二重は正義”みたいな日本の小さな世界の美の価値観や、そういう他人の価値観で自分を傷つけていたことが本当に馬鹿らしくなりました。そのうち『なんであんなに自分で自分をいじめていたんだろう』と思えてきて。今度は自分自身をちゃんと愛せるから、一重の自分としてやり直したいと思ったんです」

 二重に整形したときは周りに認めてもらいたい気持ちが大きく、顔面コンプレックスだらけだったが、一重に戻した今はまったく違う。

「自分がこんなに強くなって戻って来られたことがすごくうれしいですし、本当に自分を心から愛せるようになれたので、これからはこの顔で生きていこうと思っています。もう顔にコンプレックスはないですね」

「世の中は全員私の顔を否定してくる」と以前は思っていたそうだが、それぞれ考え方は違うし、自分を批判してくる人だけではないということに加藤さんは気づくことができた。

「もし周りに容姿をからかってくる人がいるのなら、そこから抜け出す勇気を持って、自分を本当に愛してくれる人や友達を作ると世界が変わると思います」