1987年に刊行された内田春菊氏の人気漫画『南くんの恋人』(青林工藝舎刊)は、これまで4度もドラマ化され、テレビ朝日では1994年に高橋由美子&武田真治、2004年には深田恭子&二宮和也、と2度にわたって制作された。
本作は、南浩之=南くん(八木)が15センチの手のひらサイズになって、恋人・堀切ちよみ(飯沼)の前に現れる男女逆転バージョン。脚本を手掛けるのは、1994年放送の高橋&武田版『南くんの恋人』でも脚本を担当した岡田惠和氏。30年越しに新しくなった『南くんが恋人!?』で筆を執り、ひと夏の甘くほろ苦いホーム・ラブコメディーをつむぐ。
最終回放送を前に、飯沼と八木が無事クランクアップ。GP(ゴールデン・プライム)帯ドラマ初主演を務め上げた飯沼は、堀切家の家族=木村佳乃、武田真治、加賀まりこ、さらにはチャコ役の室井滋、そして八木も見守る中での撮了に万感の思い。「あっという間だったような、長かったような…」とこの3ヶ月を振り返りつつ、「クランクインする前は不安もたくさんあったのですが、優しくて温かい皆さんのおかげで、毎日安心してお芝居させていただけました。ありがとうございました」と、キャスト、スタッフに感謝の言葉を述べた。
そして八木のほうへ顔を向けると、「南くん役が八木さんでよかったです」と少し声を震わせ、「たくさん、ありがとうございました!」と涙を浮かべながら笑顔。最後は花束を掲げ、「また皆さんとご一緒できるように精進します!」と元気いっぱいに宣言し、ひと夏を共に駆け抜けた“ちよみ役”と別れを告げた。
一方の八木は、今作ではおなじみとなったグリーンバックの前でクランクアップ。駆けつけた飯沼から花束を受け取ると、「この作品では、スタッフの皆さんもたくさん苦労されたのではないかと思います」と共に作品を作り上げたスタッフに労いの言葉をかける。「この作品と向き合いながら、15センチになってしまったお芝居がうまくできるか心配だったのですが、皆さんが支えてくれたからこそやっているうちに自信もついてきました。
ドラマを彩ったメインキャスト陣も、一様に笑顔と感動のクランクアップ。作品同様、温かい雰囲気の中、『南くんが恋人!?』の世界から、次の世界へと旅立っていった。