タレントの渡辺満里奈(53)が6日、都内で開かれた世界メンタルヘルスデー2024 トークイベント『誰にでもなる可能性のあるこころの病気とは』に登場した。夫でお笑いトリオ・ネプチューン名倉潤(55)がうつ病を発症した当時を振り返った。


 名倉は2018年6月に頸椎椎間板ヘルニアの手術を受けた後、「侵襲によるストレス」によるうつ病を発症。約2ヶ月間の休養を経て仕事に復帰した。

 渡辺は名倉のうつ病の症状について「眠れなくなったり、口数が少なくなったり、怒りをコントロールできなくなったりが短期間の中で現れた」と説明し、「びっくりして何が起きているんだろうと思った」と不安だったことを吐露。

 「全く知識がなかったので、これからどうなってしまうんだろうと自分自身も落ち込んでしまった」という渡辺は「本能で励ましてはいけないと思って、普段の日々と変わらないように接しようと心掛けました」と当時を振り返った。

 また、名倉が休養を取ることについても“甘えている”という批判があるかもしれないと不安を抱いたことを告白。それに対して、実際には同じようなうつ病の症状を持った人たちから温かいメッセージを受け取ったとし、「社会の理解が一番大切なんだと実感しました」と語った。

 そして、うつ病の患者に対して「自分自身を大切にしてほしい。親しい人や医療機関に不安を話すだけで気持ちが楽になる」と呼び掛けた。

 日本うつ病センター名誉理事長の樋口輝彦氏とうつ病患者の家族向けコミュニティーサイト「encourage」を運営するベータトリップ代表取締役で、自身もうつ病を経験した林晋吾氏が登壇。

 樋口氏はうつ病の症状や受診のタイミング、周囲のサポートの仕方などを解説。周囲の接し方について言及し、暖かく見守るや共感、受容するなどは「やって良いこと」とする一方で、励ましや気分転換させる努力などは「やってはいけない」と警鐘を鳴らした。

 林氏は自身の経験と共に、早期の復帰に焦り、うつ病の再発を繰り返してしまったとし、母親のサポートが支えになった経験を紹介した。


 樋口氏、林氏、渡辺が医療従事者、当事者、当事者の家族という異なる立場からメンタルヘルス(精神的健康)に関心を持つ重要性を語り合った。

 10月10日の「世界メンタルヘルスデー」は、メンタルヘルスについて意識を高め、偏見をなくし、知識を広めることを目的として、世界精神保健連盟より1992年に制定された。世界保健機関(WHO)も協賛し正式な国際デーになり、世界各国で啓発活動が行われている。

 同イベントは神経科学に特化した、デンマークに本社を置くバイオ医薬品企業・ルンドベックの日本法人、ルンドベック・ジャパンと、シルバーリボンジャパンの共催。

 ルンドベック・ジャパン代表取締役社長のルネ・アイラ・アンデルセン氏、シルバーリボンジャパン代表の関茂樹氏も登壇した。
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