大阪松竹座の『十月大歌舞伎』が10日に開幕し、『市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台』が始まった。十三代目市川海老蔵と息子の八代目市川新之助の勇姿を見届けようと、歌舞伎ファンだけでなく、外国人観光客の姿も見られ、大入り満員。
「成田屋!」の声がかかり、道頓堀が沸いた。

 東京・新歌舞伎座から各地で2年にわたり行われてきた襲名披露興行の締めくくりとなる大阪の地。昼の部は、成田屋ゆかりの通し狂言『雷神不動北山櫻』で、團十郎が鳴神上人、粂寺弾正、早雲王子、安倍清行、不動明王の5役を勤め、豪快な荒事、早替り、大立廻りで魅了。最後は不動明王の姿で空中浮遊を披露し、客席を圧倒した。

 夜の部は、『義経千本桜』「鳥居前」、『一條大蔵譚』「奥殿」に続き、『口上』、そして團十郎・新之助親子の『連獅子』。『口上』では、團十郎と新之助に加え、中村梅玉、中村雀右衛門、中村鴈治郎、中村扇雀をはじめ10人が居並んだ。
新之助は感謝の言葉を述べ、團十郎が成田家のお家芸「にらみ」をきかせた。

 そして『連獅子』で再び2人が舞台に登場すると、客席が待ってましたとばかりの拍手で迎えた。獅子の子落としになぞらえた踊りに続き、親子で息の合った毛振りや勇壮な獅子の舞が実現すると、劇場が割れんばかりの拍手と「成田屋!」のかけ声に包まれた。26日まで同所で開催。
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