『侍タイムスリッパー』でブレイクした冨家ノリマサ、長尾純子、谷田真吾、畠山心、堀江貴監督も登場した。
岩田は今年5月に渡米を発表し、ニューヨーク留学中で、この日のため帰国すると「ただいま戻りました!」と笑顔。堀江監督は「今回、この熱気や感動をどうしても肌で感じてほしくて、岩田さんを口説き落として来ていただきました」と紹介した。岩田は、劇場前でチラシ配りなども行って映画の熱気を実感し、感謝を伝えた。
オーディションを経て、みずき役を勝ちとった。堀江監督は「仙台出身の方が東京で頑張っているとお聞きして、(オーディションで)演技をしてもらったら、その瞬間に『みずきがいる!』という感じで、 絶対にこの人にやってもらいたいと思いました」と回顧。岩田は「今でもその日のことは覚えています。故郷・仙台を舞台にした作品で、台本を読ませていただき『これは絶対にやらせていただきたい』という気持ちが強かったです。(オーディションの演技は)感情を出すシーンで『絶対に私がやります!』って勢いだったんで、怖すぎて監督も断れなかったんじゃないかと(笑)」と振り返った。
撮影は2021年に行われ、岩田は「時間が経てば経つほど、夢だったんじゃないか?と感じます。撮影時間は深夜で、周りに誰もいなくて、耳をすませば波の音が聴こえる静かな場所で…私たちだけ違う世界に切り離されていたかのような錯覚に陥りませんか?」と語ると、冨家もその言葉に同意し「幻想的で、ここと向こうの端境(はざかい)で撮影してるような…。霧が立ち込めていて、私たちも生きているのかどうなのかと不思議な気持ちになる時がありました」とうなずいた。谷田が「(撮影が行われた)11月の仙台の深夜は寒くて…みんなブルブルと震えていました」とふり返り、冨家が「ダウンコートをスタッフさんが用意してくださったんですけど、(サイズが小さくて)谷田さんだけ入らなくて…(笑)」とユーモアを交えた。
冨家は、久々に再会した岩田へ「大人になって、すごくキレイになってしまって直視できない」と照れくさそう。すると、岩田が「ちょうど(ニューヨーク滞在)4か月のかぶれ具合です(笑)」と返し、再び会場は笑いに包まれた。
また、岩田はニューヨークでの生活も明かし「実はその昔、アイドルをやらせていただいていましたけど(笑)、その前からミュージカルをやりたかったし、ずっと女優になりたくて、AKBのオーディションでも『ブロードウェイの舞台に立ちます!』と言って審査員の方たちに苦笑いされたんですが…(笑)。映画も好きでニューヨークとロサンゼルスで悩んだんですけど、最初は憧れのニューヨークにまず行ってみようと決めました。4ヶ月が経ったけど、あっというま過ぎて『時間ってこんな早く過ぎるのか!』と毎日が戦いです。ふがいなさに涙を流す日々ですが、その倍くらい楽しくてしょうがない充実した日々を過ごしています」と力強く語っていた。
■ストーリー
世界の映画祭を揺るがせた衝撃、この物語は、ある瞬間<形>を変える。 目的地で予想外の結末が待ち受ける感動のヒューマン・ミステリー。
タクシードライバーの間で “深夜、人気のない歩道に立ちずさむ女“の噂話がささやかれるなか、今日も遠藤はひとりハンドルを握り閑散とした住宅街を流していた。いつもと変わらぬ夜―。噂の歩道傍で、手をあげる人影。顔を隠すように乗り込んできた女性が告げた行き先は「浜町」。