マーベルコミックではスパイダーマン最大の宿敵となるダークヒーロー、ヴェノムを主役にした映画シリーズの第3弾で最終章となる『ヴェノム:ザ・ラストダンス』が今月1日より全国公開中。映画ランキング初登場1位を記録した本作では、“ダークヒーロー”ヴェノムとエディがまさかの“映画通”だったことが明らかに。映画を観るときも<俺たち>2人はいつも一緒!?エディとヴェノムが観たであろう名作のタイトルを一挙紹介する。
1作目『ヴェノム』(2018年)で、地球外生命体のシンビオート(寄生生物)が、ジャーナリストのエディに寄生し、その宿主を支配して、強靭で真っ黒な肉体と鋭い牙、長く伸びる真っ赤な舌で人を喰らう「ヴェノム」が誕生。しかし、エディは人間性を維持しようと抗い、シンビオートと共存して、徐々に協力し合う関係になっていった。
21年に公開された続編『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』では、大殺戮を招く最凶ヴィランのカーネイジとの激しい死闘の中で、エディとヴェノムは一心同体となり共闘、深い信頼関係で結ばれた最強最高のバディとして世界の危機を救った。
シリーズ完結を迎える『ヴェノム:ザ・ラストダンス』は、前作でシュリークとの死闘により命を落としたマリガン刑事の殺害容疑者として、サンフランシスコ警察から指名手配されてしまったエディとヴェノムの2人は人混みに紛れるため、そしてヴェノムが会いたいと願う“自由の女神”がある大都会ニューヨークを目指す――。
ケリー・マーセル監督が「エディとヴェノムの自分探しの旅」と称する<最終章>では、ヴェノムがまさかの映画知識を作中で披露。また、マーセル監督は「エディはヴェノムに影響を与えていて、エディとヴェノムは相手の一番の長所を少し取り入れて、最高の自分を引き出しました」とも語っており、2人で過ごした時間のなかでお互いを成長させてきた彼らにとって、“映画”も欠かすことのできない大切な要素であることは間違いない。
前作『レット・ゼア・ビー・カーネイジ』では2人がサンフランシスコのアパートで奇妙な共同生活をする様子が描かれており、エディのジャーナリストとしての仕事をサポートしたり、失恋を励ましたりするヴェノムの姿が見られたが、映りきらない日常の中で2人で1つの体をソファに預け、一緒に映画を観て過ごしていた可能性は大いに考えられる。
前作でエディとヴェノムが大喧嘩をした際にヴェノムによって窓から投げ捨てられた大型テレビは2人の映画生活を支えるものだったのかも。そんな何気ない生活の中でエディとヴェノムが一緒に観たであろう超大作アクション映画から不朽の名作、クラシック映画まで、劇中に引用される名作タイトルを紹介する。
■『ミッション:インポッシブル』シリーズ
トム・クルーズの代表作であり、不可能を可能にする男、イーサン・ハントの壮大な冒険を描く、心躍る超大作スパイアクション。世界の危機を救うため、イーサンと彼の仲間たちは、まさに「不可能なミッション」に挑む。彼らの任務は、常に時間との戦い。息もつかせぬ展開の中、観客の心は躍動し、手に汗握る緊迫のストーリーが繰り広げられるが、見どころは何と言っても、トム・クルーズの体を張った圧巻のアクションシーン。超高層ビルを素手で登るシーンや、宙吊りでのスリリングな侵入など、CGに頼らない本物の迫力が画面からあふれ出す。
『ヴェノム:ザ・ラストダンス』ではトム・ハーディ演じるエディが生身の状態ではるか上空を飛ぶ飛行機の機体にしがみつくシーンが登場し、「俺はトム・クルーズじゃない!」と叫ぶ様子が予告編にも登場するが、エディが置かれている状況はまさにシリーズ第5作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(15年)でクルーズが見せた驚異の生身スタントそのもの。きっと2人でトム・クルーズのスパイアクションを観たのだろう。エディが口にした“トム・クルーズ”が通じたヴェノムがその後披露するスーパーアクションも見逃せない。
【関連映像】ファイナル予告編:https://youtu.be/9WrMfQ1liWY
■『E.T.』(1982年)
巨匠スティーブン・スピルバーグ監督による、少年エリオットと地球に取り残されて一人ぼっちになった宇宙人との、言葉を超えた心温まる触れ合いと友情を描いた不朽の名作。エリオットの家にかくまわれE.T.と名付けられた宇宙人は、彼らの家族、そして友人らと地球で交流し絆を深めていく。そんななか故郷へ帰ることを望むE.T.のために、無事に仲間たちのもとへ戻れるよう画策するエリオットたちの冒険と友情が愛しくも壮大に描かれる。
E.T.をかごに入れて自転車をこぐエリオットが月を横切り空を飛ぶシーンや、言葉はなくとも指先を触れ合い友情を伝え合うシーンは、映画史有数の後世に語り継がれる感動の名場面であり、『ヴェノム:ザ・ラストダンス』の予告編でもエディとヴェノムが、指先を触れ合わせようとするシーンが映し出されているように、世界中でオマージュされ、今なお人の心を震わせている。ほかにも「でんわ」をキーワードにしてヴェノムが会話をする姿が見られることから、『E.T.』で描かれる出会いと別れがヴェノムの中に刻まれていることが伺い知ることができる。
【関連映像】30秒予告<シリーズ完結>編:https://youtu.be/_qjJwNgB-0A
■『レインマン』(1988年)
ダスティン・ホフマンとトム・クルーズの圧巻の演技力で紡がれる物語が世界中で観る者の心を打ち、作品賞、主演男優賞、監督賞、脚本賞のアカデミー賞4部門を受賞したヒューマンドラマの金字塔。高級車のディーラーとして働く中で多額の借金を抱えていたチャーリーが、父の遺産を目当てに帰省した先で、自閉症を抱える天才的な兄レイモンドの存在を初めて知ることから2人の旅路は始まる。
作中でレイモンドの特異な才能を利用して一儲けを目論んだチャーリーは、レイモンドをラスベガスのカジノへ連れていき、彼の才能のおかげで大金を手に入れ、人生の軌道を修正することに成功するが、『ヴェノム:ザ・ラストダンス』でもラスベガスにエディとヴェノムが訪れた場面で『レインマン』の名を口にしており、手元にある20ドルを元にヴェノムがカジノへ挑もうとする様子が描かれる。果たして2人の運命はいかに!?
■『テルマ&ルイーズ』(1991年)
自由を求める2人の女性を描く魂を揺さぶるロードムービー。平凡な日常に縛られていた主婦テルマと、ウェイトレスとして働くルイーズ。彼女たちの週末のドライブ旅行が、予期せぬ事件をきっかけに、壮大な逃避行へと変貌を遂げる。シスター・フッド映画の代名詞であり、第64回アカデミー賞で6部門ノミネートし脚本賞を受賞、ゴールデングローブ賞でも脚本賞を受賞。抑圧された女性の解放と自己発見の旅路が描かれ、さまざまなトラブルに見舞われて、指名手配犯となり警察に追われる身になりながらも、荒野を疾走し束縛から解き放たれていく2人の友情の有り様が観る者の胸を熱くする。
『ヴェノム:ザ・ラストダンス』では指名手配犯となったエディがNYを目指す、エディとヴェノムの2人の逃避行が描かれており、そんな状況下でヴェノムが『テルマ&ルイーズ』に触れる一場面も。果たして、逃避行の先に2人をどんな結末が待っているのか。
■『野郎どもと女たち』(1956年)
1920年代のニューヨーク、欲望と罪が渦巻く下町を舞台に、人間の魂の機微を描き出す珠玉のミュージカル映画。賭博に明け暮れる男たちと、彼らを救おうとする女たちの激しくも切ない闘いが描かれ、罪深き男たちと、純粋な信念を持つ女たちの出会いが、予想もしない恋と騒動を引き起こす。
劇中、主人公であるラスベガス1の天才賭博師スカイが運命の女神に幸運を祈る場面で楽曲「Luck Be A Lady」を披露するが、『ヴェノム:ザ・ラストダンス』では、ヴェノムがラスベガスのカジノで手持ちの全財産である20ドルをスロットにつぎ込みながら「女神よ、今夜だけは淑女で♪」と歌う様子が映し出されており、約70年前の映画にも精通しているヴェノムの映画通な一面からエディとヴェノムが一心同体で過ごした日常を伺うことができる。
【関連映像】本編映像<全財産つぎこんで最悪!>編:https://youtu.be/AisOWdyzckA
1作目『ヴェノム』(2018年)で、地球外生命体のシンビオート(寄生生物)が、ジャーナリストのエディに寄生し、その宿主を支配して、強靭で真っ黒な肉体と鋭い牙、長く伸びる真っ赤な舌で人を喰らう「ヴェノム」が誕生。しかし、エディは人間性を維持しようと抗い、シンビオートと共存して、徐々に協力し合う関係になっていった。
21年に公開された続編『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』では、大殺戮を招く最凶ヴィランのカーネイジとの激しい死闘の中で、エディとヴェノムは一心同体となり共闘、深い信頼関係で結ばれた最強最高のバディとして世界の危機を救った。
シリーズ完結を迎える『ヴェノム:ザ・ラストダンス』は、前作でシュリークとの死闘により命を落としたマリガン刑事の殺害容疑者として、サンフランシスコ警察から指名手配されてしまったエディとヴェノムの2人は人混みに紛れるため、そしてヴェノムが会いたいと願う“自由の女神”がある大都会ニューヨークを目指す――。
ケリー・マーセル監督が「エディとヴェノムの自分探しの旅」と称する<最終章>では、ヴェノムがまさかの映画知識を作中で披露。また、マーセル監督は「エディはヴェノムに影響を与えていて、エディとヴェノムは相手の一番の長所を少し取り入れて、最高の自分を引き出しました」とも語っており、2人で過ごした時間のなかでお互いを成長させてきた彼らにとって、“映画”も欠かすことのできない大切な要素であることは間違いない。
前作『レット・ゼア・ビー・カーネイジ』では2人がサンフランシスコのアパートで奇妙な共同生活をする様子が描かれており、エディのジャーナリストとしての仕事をサポートしたり、失恋を励ましたりするヴェノムの姿が見られたが、映りきらない日常の中で2人で1つの体をソファに預け、一緒に映画を観て過ごしていた可能性は大いに考えられる。
前作でエディとヴェノムが大喧嘩をした際にヴェノムによって窓から投げ捨てられた大型テレビは2人の映画生活を支えるものだったのかも。そんな何気ない生活の中でエディとヴェノムが一緒に観たであろう超大作アクション映画から不朽の名作、クラシック映画まで、劇中に引用される名作タイトルを紹介する。
■『ミッション:インポッシブル』シリーズ
トム・クルーズの代表作であり、不可能を可能にする男、イーサン・ハントの壮大な冒険を描く、心躍る超大作スパイアクション。世界の危機を救うため、イーサンと彼の仲間たちは、まさに「不可能なミッション」に挑む。彼らの任務は、常に時間との戦い。息もつかせぬ展開の中、観客の心は躍動し、手に汗握る緊迫のストーリーが繰り広げられるが、見どころは何と言っても、トム・クルーズの体を張った圧巻のアクションシーン。超高層ビルを素手で登るシーンや、宙吊りでのスリリングな侵入など、CGに頼らない本物の迫力が画面からあふれ出す。
『ヴェノム:ザ・ラストダンス』ではトム・ハーディ演じるエディが生身の状態ではるか上空を飛ぶ飛行機の機体にしがみつくシーンが登場し、「俺はトム・クルーズじゃない!」と叫ぶ様子が予告編にも登場するが、エディが置かれている状況はまさにシリーズ第5作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(15年)でクルーズが見せた驚異の生身スタントそのもの。きっと2人でトム・クルーズのスパイアクションを観たのだろう。エディが口にした“トム・クルーズ”が通じたヴェノムがその後披露するスーパーアクションも見逃せない。
【関連映像】ファイナル予告編:https://youtu.be/9WrMfQ1liWY
■『E.T.』(1982年)
巨匠スティーブン・スピルバーグ監督による、少年エリオットと地球に取り残されて一人ぼっちになった宇宙人との、言葉を超えた心温まる触れ合いと友情を描いた不朽の名作。エリオットの家にかくまわれE.T.と名付けられた宇宙人は、彼らの家族、そして友人らと地球で交流し絆を深めていく。そんななか故郷へ帰ることを望むE.T.のために、無事に仲間たちのもとへ戻れるよう画策するエリオットたちの冒険と友情が愛しくも壮大に描かれる。
E.T.をかごに入れて自転車をこぐエリオットが月を横切り空を飛ぶシーンや、言葉はなくとも指先を触れ合い友情を伝え合うシーンは、映画史有数の後世に語り継がれる感動の名場面であり、『ヴェノム:ザ・ラストダンス』の予告編でもエディとヴェノムが、指先を触れ合わせようとするシーンが映し出されているように、世界中でオマージュされ、今なお人の心を震わせている。ほかにも「でんわ」をキーワードにしてヴェノムが会話をする姿が見られることから、『E.T.』で描かれる出会いと別れがヴェノムの中に刻まれていることが伺い知ることができる。
【関連映像】30秒予告<シリーズ完結>編:https://youtu.be/_qjJwNgB-0A
■『レインマン』(1988年)
ダスティン・ホフマンとトム・クルーズの圧巻の演技力で紡がれる物語が世界中で観る者の心を打ち、作品賞、主演男優賞、監督賞、脚本賞のアカデミー賞4部門を受賞したヒューマンドラマの金字塔。高級車のディーラーとして働く中で多額の借金を抱えていたチャーリーが、父の遺産を目当てに帰省した先で、自閉症を抱える天才的な兄レイモンドの存在を初めて知ることから2人の旅路は始まる。
作中でレイモンドの特異な才能を利用して一儲けを目論んだチャーリーは、レイモンドをラスベガスのカジノへ連れていき、彼の才能のおかげで大金を手に入れ、人生の軌道を修正することに成功するが、『ヴェノム:ザ・ラストダンス』でもラスベガスにエディとヴェノムが訪れた場面で『レインマン』の名を口にしており、手元にある20ドルを元にヴェノムがカジノへ挑もうとする様子が描かれる。果たして2人の運命はいかに!?
■『テルマ&ルイーズ』(1991年)
自由を求める2人の女性を描く魂を揺さぶるロードムービー。平凡な日常に縛られていた主婦テルマと、ウェイトレスとして働くルイーズ。彼女たちの週末のドライブ旅行が、予期せぬ事件をきっかけに、壮大な逃避行へと変貌を遂げる。シスター・フッド映画の代名詞であり、第64回アカデミー賞で6部門ノミネートし脚本賞を受賞、ゴールデングローブ賞でも脚本賞を受賞。抑圧された女性の解放と自己発見の旅路が描かれ、さまざまなトラブルに見舞われて、指名手配犯となり警察に追われる身になりながらも、荒野を疾走し束縛から解き放たれていく2人の友情の有り様が観る者の胸を熱くする。
『ヴェノム:ザ・ラストダンス』では指名手配犯となったエディがNYを目指す、エディとヴェノムの2人の逃避行が描かれており、そんな状況下でヴェノムが『テルマ&ルイーズ』に触れる一場面も。果たして、逃避行の先に2人をどんな結末が待っているのか。
■『野郎どもと女たち』(1956年)
1920年代のニューヨーク、欲望と罪が渦巻く下町を舞台に、人間の魂の機微を描き出す珠玉のミュージカル映画。賭博に明け暮れる男たちと、彼らを救おうとする女たちの激しくも切ない闘いが描かれ、罪深き男たちと、純粋な信念を持つ女たちの出会いが、予想もしない恋と騒動を引き起こす。
劇中、主人公であるラスベガス1の天才賭博師スカイが運命の女神に幸運を祈る場面で楽曲「Luck Be A Lady」を披露するが、『ヴェノム:ザ・ラストダンス』では、ヴェノムがラスベガスのカジノで手持ちの全財産である20ドルをスロットにつぎ込みながら「女神よ、今夜だけは淑女で♪」と歌う様子が映し出されており、約70年前の映画にも精通しているヴェノムの映画通な一面からエディとヴェノムが一心同体で過ごした日常を伺うことができる。
【関連映像】本編映像<全財産つぎこんで最悪!>編:https://youtu.be/AisOWdyzckA
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